『枯山水』に通じる究極にまで削ぎ落とされた強靭な美の姿、瀧本幹也の関西初大型個展「CHAOS 2020」

 写真家/映像作家の瀧本幹也が、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2020 Associated Programsにて、二つの個展を開催する。A会場 妙満寺 大書院では「CHAOS 2020」 、B会場 Sferaでは「LAND SPACE 2020」が催され、それぞれ会期が、2020年9月19日(土)~10月10日(土)、2020年 9月19日(土)~10月18日(日)となっている。
 妙満寺では、名庭『雪の庭』が投げかける“美のあり様”を起点とし、隣接する大書院の空間を現代の世界の姿に見立て、写真と映像で、日本建築に通底する 美意識のひとつ『枯山水』の作法に則り、21世紀的な世界観で空間が構成される。大型作品含む約30点の写真作品、SNOW MOUNTAINを襖絵にした作品と、光学硝子の塊りで枯山水を表現したインスタレーションや、自然光の美しさと書院の仄かな闇との調和がなされた「現在」と「未来」が並列する空間構成で、より深い思考と想像へと誘う空間が創出される。
 また、Sfera にて写真展「LAND SPACE 2020」も同時開催される。ぜひ併せて鑑賞していただき、日本人のDNAのひとつ『枯山水』に通じる究極にまで削ぎ落とされた強靭な美の姿、そして、混沌と同時に現れる次なる世界の誕生の予兆を体感して欲しい。


SNOW MOUNTAIN #02 / LAND © 2020 Mikiya Takimoto
SNOW MOUNTAIN #05 / LAND © 2020 Mikiya Takimoto


KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2020 Associated programs
瀧本幹也「CHAOS 2020」
A会場 | 妙満寺 大書院
住所 | 京都市左京区岩倉幡枝町91
会期 | 2020年9月19日(土)〜10月18日(日)
時間 | 9:00~16:30

協力 | アクリアル / FLAT LABO / 京都精華大学 / 佐々木墨彩堂 / 新潟漆器 / 日東装備 / フレームマン / 三保谷硝子店
展示機材協力 | キヤノンマーケティングジャパン
www.kyotographie.jp
瀧本幹也写真展「LAND SPACE 2020」
B会場 | Sfera(京都)
住所 | 京都市東山区縄手通り新橋上ル西側弁財天町17 スフェラ・ビル
日時 | 2020年 9月19日(土)~10月18日(日)
時間 | 12:00~18:00
入場料 | 500円(KYOTOGRAPHIEパスポート提示で200円) 
休日 | 水曜・木曜(*諸般の状況により観覧条件が変更となる場合あり)
www.kyotographie.jp



瀧本幹也 写真家 / 映像作家
1974年愛知県生まれ。藤井保に師事の後、1998年より写真家として独立し、瀧本幹也写真事務所を設立。以後、広告写真をはじめ現代美術や、映像では映画やコマーシャルフィルムなど幅広い分野の撮影を手がける。代表作に、ドイツの造形学校バウハウスを構成的に捉えた『BAUHAUS DESSAU ∴ MIKIYA TAKIMOTO』(PIE books 2005) 、世界7大陸を巡り観光地の非日常性に集まる人々を捉えた『SIGHTSEEING』(リトル・モア 2007)、LOUIS VUITTONとmore trees坂本龍一と協働で行われたアートワーク『LOUIS VUITTON FOREST』(LOUIS VUITTON JAPAN 2011)、地球の原風景「LAND」と、文明の象徴としての宇宙開発「SPACE」の相対するシリーズをまとめた『LAND SPACE』(青幻舎 2013)、 『GRAIN OF LIGHT』(青幻舎 2014)、『海街diary』(青幻舎 2015)、『Le Corbusier』(2017)、 『CROSSOVER』(青幻舎 2018)などがある。
近年の展覧会では、『FLAME / SURFACE』(CANON GALLERY S 東京 2017)、『CHAOS』(Galerie Clémentine de la Féronnière パリ 2018)、『CROSSOVER』(LAFORET MUSEUM 東京 2018)、また『建築 x 写真 ここのみに在る光』 (東京都写真美術館 東京 2018)では11人の写真家による展示に参加し『Le Corbusier』を出展。また、2021年11月から高知県立美術館、2021年1月から長崎県立美術館、同年6月からは東京国立近代美術館にて『隈研吾展』に新作映像作品を発表する。
作品は、The Metropolitan Museum of Art (New York)、東京都写真美術館(東京)などに収蔵されている。2012年より映画の撮影も手がけ、『そして父になる / Like Father, Like son』(是枝裕和監督 2013)で、第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞を受賞。『海街diary / Our Little Sister』(是枝裕和監督 2015)では、第39回日本アカデミー賞、最優秀撮影賞を受賞。『三度目の殺人 / The Third Murder』(是枝裕和監督 2017)などがある。