ファーストシーズンまで振り返り、自己模倣することでアイデンティティーを継承したコレクション、Hender Scheme 20-21aw “LIFE”

 「NEW CRAFT」をキーワードに伝統的な技術や製法を用い、コンテンポラリーなアイデアを具現化してきた、Hender Scheme の20-21awのコレクションが、6/13より、直営店のスキマと全国の取り扱い店舗にて順次発売される。
 20-21aw のタイトルは、「生活」や「人生」を意味する”LIFE”。コンテンポラリーなアプローチによる全く新しいデザインや、テクニカルな製法と技術のアップデートなど、ファッションやクラフト、工業、アートにおける既存のイメージの枠を越えるクリエイションはもちろん、Hender Schemeにとって10年という節目を迎える今シーズンは、ファーストシーズンまで振り返り、自己模倣することでアイデンティティーを継承したデザインが登場する。




 HITSPAPER編集部で注目するプロダクトを幾つか紹介したい。
 シューズでは、ボリュームのあるシルエットとマテリアルの多層的な構造が特徴の2WAYシューズ”moor”が登場。クレープソールのパターンを拡張し、スニーカーを包み込むことで、アッパーとソールの境界線が曖昧となった全く新しいシューズだ。クレープソールを着脱することで、様相も用途も変えることができるプロダクトとなっている。
取り外し可能なPVCのキルトが装着された”plover brogue”は、ゴムコーティングされたカウレザーをはじめ、バケッタシュリンクレザー、ネオプレーンなどの異なる素材をクロスステッチで縫合。クロスステッチを採用することで、パーツをつなぎ合わせるステッチ本来の役目に加えて、ブローグ(穴飾り)をステッチワークに置き換えるという、意匠としての役割も与えた1足だ。




 バッグと小物のコレクションには、新作シューズ ”square ballet velvet quilt”と共通のオリジナルのベルベットキルティングを使用したシリーズが発売される。シューズを含む、バケットハット、巾着バッグ、がま口のバッグとポーチの全5アイテム展開だ。有機的な曲線を描くキルティングのステッチにマルチカラーの糸を用い(blackを除く)、光沢感の中でステッチが際立つシリーズとなっている。
ベジタブルタンニンレザーを1枚革で仕上げた”twist buckle bag”は、サテーナゴールドのバックルやベルト裏のナイロンテープなど、ディテールにこだわったシンプルな仕上がりのバックとなっている。


 アパレルでは、メルトンのボディにベジタブルタンニン鞣しのホースレザーのアームを組み合わせ、身幅、アームにたっぷりと分量をもたせた”stadium jumper”、ビビッドなカラーバリエーションによる”suede glove”がリリース。




 また、インテリアアイテムとして、新しいプロダクトラインとなる”science vase:花瓶”がリリースされる。こちらは、工業製品の実験器具に手工業のレザーを組み合わせることで、既製品に異なるファンクション(機能)を与え、そのあり方を変化させる、という考えのもとつくられた。フラスコやシャーレなどのガラス容器にベジタブルタンニンレザーが組み合わさることで、実験器具は花器やオブジェという新たな道具に化け、使われるシーンは実験室から居室などの生活空間に変わる。




 レザーシューズを中心としながらも、様々な領域を横断しながらものづくりを拡げ続ける、Hender Schemeの姿勢が体現されたコレクションをぜひチェックして欲しい。


Hender Scheme
身体的、生物学的に性差を示すセックスに対して、ジェンダーとは、社会的、文化的な性差を意味する。Hender Scheme(エンダースキーマ)ではセックスによる性差を尊重しながらも、身なりにおいてジェンダーを介することなく、人間の経験や環境によって構造化されたジェンダースキーマを超越した概念を提唱する。
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