伝統的な製法や製造過程を用いたファブリックと、モダンなファブリックを対比した、「POLYPLOID」2021-22AWコレクション

 ドイツ発のユニセックスブランド「POLYPLOID」2021-22AWコレクションのデリバリーがスタートした。
 POLYPLOID は、ベルリン在住の Isolde Auguste Richly (イゾルデ・オーギュスト・リッチリー)が、18-19AWよりスタートしたブランド。ブランド名の POLYPLOID は、化学用語で「多倍数体」を意味し、「There are no facts, only interpretations.」をコンセプトに、クリエーションを展開している。洋服のアウトラインを固定した一つのモデルに対し、異なる素材と色によるA、B、C、3つのカテゴリーによってコレクションを構築、多面的なプロダクトの広がりや奥行きにアプローチしているのが特徴だ。
 2021-22AWコレクションは、ブランドコンセプト ”There are no facts, only interpretations.” をベースに、13型、計78アイテムがデザインされた。本コレクションでは、伝統的な製法や製造過程を用いたファブリックにフォーカスし、モダンな素材との対比を意識したコレクションとなっている。




 新型のP-COATをはじめ、コレクションのキーピースに用いられる英国製のツイードや、ドイツ製のローデンクロス、オーストリアのハンドニットは、数世紀にも及ぶ伝統を守りながら、原毛から、織り、染色にいたるまで、自社で一貫して生地を製造する老舗のファブリックメーカーや、民族衣装を手がけるニッターによるもの。また、ドイツブランドらしいヨーロッパを背景とした素材のほかにも、墨、藍の天然の染料を用い、日本で手染めした新型シャツもリリースされる。一方で、汎用性、機能性に優れたモダンな素材を用いることで、伝統的な素材とのコントラストを感じられるコレクションとなっている。




 カラーパレットは、デザイナーにとって伝統を想起させるブラウン、グレー、ブルーと、モダンかつ抽象的なイメージを与える、アイスブルーとブラックで構成。伝統的なクラフツマンシップと現代の技術を称えるデザイナーによる新しいコレクションと言えるだろう。





POLYPLOID
2017年にドイツ・ベルリンにてイゾルデ・オーギュスト・リッチリーにより設立。イゾルデはベルリン・ヴァイセンゼー美術大学にてファッションデザインを学び、その後、複数のファッションブランドで10年以上、デザイナーやパタンナーを経験。
POPLYPLOID(多倍数体)は、それぞれのスタイルのベースとなるパターンが元となっている。本コレクションでは8つの異なるクラシックスタイルを表現しており、さらにこれらのスタイルはA、B、Cの3つのカテゴリーに分けられる。そしてそれぞれのカテゴリーに対しユニークな感覚を表現する異なるマテリアルが選ばれる。
カテゴリーAでは、どのスタイルもシーズンごとに最もシンプルな方法で表現されている。白のcalicoが仕立ての基礎を表しており、作品には最もベーシックな表現がなされている。一方、カテゴリーB、Cでは、Aの基礎を新たなコンセプトや感覚に転換させる全く異なる布地が選ばれる。カテゴリーAでは色は1色のみが用いられ、Bでは2色、Cでは3色となる。
このコンセプトの背景にはドイツと日本の非常に強い関係がある。服の色や布地がカテゴリーごとに使い分けられるだけでなく、POPLYPLOIDではドイツと日本での生産も行っている。ヨーロッパのマテリアルはドイツで縫製され、日本のマテリアルは日本で作られる。作品の生産国が生産プロセスを指し示すことは、市場に対して全く新しいアプローチ手法である。
POLYPLOIDのデザインチームは服やパターンの知識やデザイン、生産プロセスに関して10年以上の経験を有する。そこに日本とドイツと手仕事の力を加え、今までにない全く新しい試みを行っている。
www.poly-ploid.com