『Multiple exposure』と『FLEUR』2つの新作シリーズによる特別展示、瀧本幹也写真展「AFTERIMAGE」

 THE TOWER HOTEL NAGOYAギャラリースペース “on hold” にて、瀧本幹也写真展「AFTERIMAGE」が開催される。会期は、2021年2月4日(木)~2月28日(日)。
 本展は『Multiple exposure』と『FLEUR』2つの新作シリーズによる特別展示となる。
 会場 “on hold” は、2020年10月に名古屋テレビ塔内に誕生したホテル『THE TOWER HOTEL NAGOYA (ザ・タワーホテル・ナゴヤ)』のギャラリースペース。泊まれるギャラリールームとして、アートに浸り一晩を過ごすことができる特別なホテルの空間だ。なお、1日1組限定、予約・宿泊料は別途必要となる。
 最後に本展に寄せた瀧本氏のメッセージを紹介したい。

車窓から眺める景色に、映り込みが重なって絶妙なバランスになる瞬間がある。

そんな偶然を見つけるのが好きだ。それは一枚のガラスに、同じ時間が共存する面白さだろう。多重露光の”Multiple exposure”では、一枚のネガフイルムの中に、幾つかの違った時間が共存する面白さがある。写真の瞬間が重なり合い、そこに時間が「時空」として封印され、偶然性の美が露光された時、頭の中の想像を超えた景色が立ち上がった。

花の新作”FLEUR”では、これまで「花」を被写体とすることを敬遠してきたが、COVID-19が引き起こした世界の混乱の中、自生している花や植物の生命力の美しさ、儚さをとどめておきたいという強い衝動に駆られた。連綿と続く生命の瞬間を「時空」として捉えたいという欲求の現れなのだろうか? 最近は、生命力と時空を感じるものに惹かれ、現実を冷静に見つめている。美しい景色と出会い、眼を閉じると網膜に焼き付くその残像が好きだ。
瀧本幹也 (写真家)



瀧本幹也写真展「AFTERIMAGE」


開催日時 | 2021年2月4日(木) ~ 2月28日(日) 12時~17時

会場 | THE TOWER HOTEL NAGOYA 4F GALLERY SPACE “on hold”


住所 | 〒460-0003愛知県名古屋市中区錦3丁目6-15先名古屋テレビ塔4F

thetowerhotel.jp/galleryroom

入場 | 無料・予約優先

企画 | FOCUS ROCK STUDIO & gallery

協力 | MA2 Gallery

入場予約・会場についてのお問い合わせ | THE TOWER HOTEL NAGOYA 052-953-4450

作品についてのお問い合わせ | FOCUS ROCK STUDIO & gallery 090-2536-7927 (担当:羽田)


AFTERIMAGE写真展スペシャルサイト
mikiyatakimoto.com/afterimage/



瀧本幹也 MIKIYA TAKIMOTO
写真家/1974年愛知県生まれ。94年より藤井保氏に師事。98年に写真家として独立し、瀧本幹也写真事務所を設立。広告写真をはじめ、グラフィック、エディトリアル、自身の作品制作活動、コマーシャルフィルム、映画など幅広い分野の撮影を手がける。
主な作品集に『LAND SPACE』(13)『SIGHTSEEING』(07)『BAUHAUS DESSAU ∴ MIKIYA TAKIMOTO』(05)などがある。また12年からは映画の撮影にも取り組む。自身初となる『そして父になる』(是枝裕和監督作品)では第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞を受賞。15年には『海街diary』で第39回日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞。17年『三度目の殺人』第74回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門。
東京ADC賞、ニューヨークADC賞GOLD、カンヌライオンズ国際広告祭GOLD、ACCグランプリ、朝日広告賞グランプリ、日経広告賞グランプリ、ニューヨークCLIO AWARDS GOLD、ロンドン D&AD YELLOW PENCILなど、国内外での受賞歴多数。
91年16歳で写真の世界に入る。92年上京しスタジオ勤務を経て、94年より藤井保氏に4年間師事。98年に23歳で独立した。これまで手がけてきた作品から伝わるのは、当時も今も変わらない写真という世界への向き合う姿勢である。
作品『BAUHAUS DESSAU ∴ MIKIYA TAKIMOTO』では、現代デザインの基となったドイツの造形学校バウハウス・デッサウを、当校が生み出した抽象絵画のような独特な視点で捉えた。またライフワークとして取り組んできた『SIGHTSEEING』では世界7大陸を巡り、観光地とそこに訪れ群がる人々をテーマに、“観光”というリアルななかに漂う非現実的な世界をシニカルにあぶり出し、現実社会のゆがみをも想起させる作品を生み出した。さらに『LAND SPACE』では長きにわたりこの大地に育まれてきた自然の壮大さと、人類の手によって生み出された先端文明である宇宙産業の造形美との相似形に着目し「LAND」「SPACE」という一見対極に見えるふたつの視点から、なぜか地球を俯瞰しているかのごとき感覚を与えた。また広告写真やコマーシャルフィルムでは、いかなる制約のなかでも鋭敏かつオリジナリティあふれる発想力で数々のポスターや映像を生み出し、その手腕を発揮した。そんな写真と映像で培った豊富な経験と表現者としての視点を見いだされ、映画『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』では撮影監督を務め、独自の映像世界をつくり出した。