BOOK REVIEW / Jaime Hayon Works

(c) Gestalten, Berlin 2008
Official H.P:www.gestalten.com (Gestalten)
Official H.P:www.gestalten.jp (Gestalten Japan)
Official H.P:www.gestalten.tv (Gestalten TV)
text by ryota inoue
この『Jaime Hayon Works』というモノグラフから、私が最初に連想したものは、意外にも『ミシュランガイド』だ。ミシュランガイドと言えば、今でこそ欧州ではその評価は下がりつつあるが、創刊から100年という歴史が物語るように最高峰の美食を提供するレストランのガイドブックの一つである。一見して何も繋がりがない、ミシュランとこのモノグラフを繋ぎあわせる共通点。それは「最高級のものを読者に提供する」というマインド。素材にこだわり抜き、ハンドメイドで作られた彼のプロダクトデザインは、まさに「最高級」。そんな至極のプロダクトで彩られたこの本をご覧になり、じっくりと味わってほしい。そして、あなた自身の感性と対話しながら、Jaime Hayonの世界に誘われることをお勧めしたい。
(c) Gestalten, Berlin 2008
新進気鋭のプロダクトデザイナー、Jaime Hayonのモノグラフが、ドイツのGestalten [www.gestalten.com, www.gestalten.jp] から発売された。
Jaime Hayonの作品は、シンクやバスルーム、インテリア、トイ、インスタレーション,レストランなどのリノベーションと多岐にわたるが、統一感に欠けることはなく、全てにJaime Hayonらしさを感じる。その感覚は、彼の作品がお互いにリンクしあっていることに起因する。これは、安易に接着された連動性ではなく、Jayme Hayonのプロダクトの秩序のうちに成立しうる論理ともいえるだろう。
(c) Gestalten, Berlin 2008
例えば、彼の最初のエキシビジョンで使われた『Cactus』のスタンドの色は、バスルームコレクションのシンクに。多脚のテーブルは『multi legged cabinet』 に。花瓶に使われた『Capitone texture』は『CAMPER』の靴のソールに。色やパターン、デザイン、モチーフが、実験的に次の作品へと落とし込まれ、そこで得られた良い結果は、また次回のレシピとして活用される。つまり、個々のプロダクトは偶然ではなく、生れるべくして生まれた必然の産物だ。このようなプロセスを経て、プロダクトは洗練され、強烈な個性と存在感を放ち、各々の意味を形成していく。
(c) Gestalten, Berlin 2008
このモノグラフでは、スケッチブックに書かれた草案、レンダリング、試作、そして完成に至るまでのプロセスを見ることが出来る。それぞれのプロダクトはどのように想起され、現実へとシフトしていくのか。そして、それらはどう関わりあっているのか。プロダクトデザインへの彼の感性と、そのプロセスに視覚的に触れ、感応してみよう。そうすれば、あなたの心は高揚し、次は何を見せてくれるのかと期待感でいっぱいに。ついつい、息つく暇なく、最後まで読み続けてしまうことだろう。
(c) Gestalten, Berlin 2008
では、内容を少しだけ。
『Pixel Ballet』
これは、世界最大のインテリア家具、雑貨の見本市であるミラノサローネ2007において、イタリアのモザイクメーカー『Bisazza』の為に作られたインスタレーションだ。
つやつやした光沢感のあるチェックのフロア。中央には巨大な人形が鎮座し、両手に持ったトレイの上に、美しいフォルムのキャビネットが展示された。頭上には黄金に輝く『Josephine Queen lamp』、そして『Bisazza』製のモザイクでデコレートされた、彼らしいお馴染みのプロダクト、これら全てが一体となり、刺激的な空間を演出した。
(c) Gestalten, Berlin 2008
まるで彼のパラノイアや宇宙観がそのまま具現化されたかのような、このインスタレーションは、プロダクトそのものではなく、プロダクトの可能性を示すというコンセプトの上に行われた。『Bisazza』のマテリアルを従来どおり平面的に使用するのではなく、彼のプロダクトに立体的に当てはめることで、そのコンセプトを閲覧者に明示したのだ。同時に、このインスタレーションは、アートの表現における限界を試すものでもあった。私たちは、かつて体験したことのないような、彼の刺激的な世界観に、その試みを納得せざるを得ないだろう。
彼は「私は、このインスタレーションで、私のインテリアの世界への扉を提供します。」と言う。あなたもこのモノグラフで彼のインスタレーションを追体験し、そっと、その扉を開けてみては?
(c) Gestalten, Berlin 2008
もう1つ紹介しておきたいのが、Jaime Hayonが行ったスペインのレストラン『LA Terraza del Casino』のリノベーション。そこでは、元々のあった壮観とJaime Hayonのコンテンポラリーなデザインが融合して、新たな価値観が生み出された。その空間は、レストランでありながら、インスタレーションの様相をもなした。
2つのデザイン要素のコンビネーションによる相乗効果は、豪勢であり機能的。つまり、エンターテイメント性だけの追求ではなく、本質的にレストランとしての機能性も兼ねた、サステナブルなデザインなのだ。
Jaime Hayonは言う、「美食は、私の1つのパッションである」と。そんな彼がプロデュースするこのレストランで、おいしい料理に舌鼓を打てば、きっと料理のポテンシャル以上の満足が得られることだろう。Jaime Hayonの世界観における一旦の集大成ともいえる、このリノベーション。ぜひともご覧になって欲しい。
(c) Gestalten, Berlin 2008
このモノグラフは、コース料理における前菜のようなものだ。前菜は、シェフの腕前を知ると同時に、メインディッシュへの食欲と期待感を高めてくれる重要なもの。まさに、このモノグラフを形容するにぴったりだ。Jaime Hayonという鋭い感性を持ったデザイナーの偉大さを知り、大いに期待を持とうではないか。ただ、『Jaime Hayon Works』という名の前菜は、そこらの2級レストランのものとは訳が違う。ミシュラン3つ星レストランのメインとしても成立しうる、言わば『完全なる前菜』だ。ぜひこのJaime Hayonの約5年間の軌跡で調理された、『完全なる前菜』をたっぷり堪能してみて欲しい。
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(c) Gestalten, Berlin 2008
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text by ryota inoue
この『Jaime Hayon Works』というモノグラフから、私が最初に連想したものは、意外にも『ミシュランガイド』だ。ミシュランガイドと言えば、今でこそ欧州ではその評価は下がりつつあるが、創刊から100年という歴史が物語るように最高峰の美食を提供するレストランのガイドブックの一つである。一見して何も繋がりがない、ミシュランとこのモノグラフを繋ぎあわせる共通点。それは「最高級のものを読者に提供する」というマインド。素材にこだわり抜き、ハンドメイドで作られた彼のプロダクトデザインは、まさに「最高級」。そんな至極のプロダクトで彩られたこの本をご覧になり、じっくりと味わってほしい。そして、あなた自身の感性と対話しながら、Jaime Hayonの世界に誘われることをお勧めしたい。
(c) Gestalten, Berlin 2008 新進気鋭のプロダクトデザイナー、Jaime Hayonのモノグラフが、ドイツのGestalten [www.gestalten.com, www.gestalten.jp] から発売された。
Jaime Hayonの作品は、シンクやバスルーム、インテリア、トイ、インスタレーション,レストランなどのリノベーションと多岐にわたるが、統一感に欠けることはなく、全てにJaime Hayonらしさを感じる。その感覚は、彼の作品がお互いにリンクしあっていることに起因する。これは、安易に接着された連動性ではなく、Jayme Hayonのプロダクトの秩序のうちに成立しうる論理ともいえるだろう。
(c) Gestalten, Berlin 2008例えば、彼の最初のエキシビジョンで使われた『Cactus』のスタンドの色は、バスルームコレクションのシンクに。多脚のテーブルは『multi legged cabinet』 に。花瓶に使われた『Capitone texture』は『CAMPER』の靴のソールに。色やパターン、デザイン、モチーフが、実験的に次の作品へと落とし込まれ、そこで得られた良い結果は、また次回のレシピとして活用される。つまり、個々のプロダクトは偶然ではなく、生れるべくして生まれた必然の産物だ。このようなプロセスを経て、プロダクトは洗練され、強烈な個性と存在感を放ち、各々の意味を形成していく。
(c) Gestalten, Berlin 2008 このモノグラフでは、スケッチブックに書かれた草案、レンダリング、試作、そして完成に至るまでのプロセスを見ることが出来る。それぞれのプロダクトはどのように想起され、現実へとシフトしていくのか。そして、それらはどう関わりあっているのか。プロダクトデザインへの彼の感性と、そのプロセスに視覚的に触れ、感応してみよう。そうすれば、あなたの心は高揚し、次は何を見せてくれるのかと期待感でいっぱいに。ついつい、息つく暇なく、最後まで読み続けてしまうことだろう。
(c) Gestalten, Berlin 2008では、内容を少しだけ。
『Pixel Ballet』
これは、世界最大のインテリア家具、雑貨の見本市であるミラノサローネ2007において、イタリアのモザイクメーカー『Bisazza』の為に作られたインスタレーションだ。
つやつやした光沢感のあるチェックのフロア。中央には巨大な人形が鎮座し、両手に持ったトレイの上に、美しいフォルムのキャビネットが展示された。頭上には黄金に輝く『Josephine Queen lamp』、そして『Bisazza』製のモザイクでデコレートされた、彼らしいお馴染みのプロダクト、これら全てが一体となり、刺激的な空間を演出した。
(c) Gestalten, Berlin 2008 まるで彼のパラノイアや宇宙観がそのまま具現化されたかのような、このインスタレーションは、プロダクトそのものではなく、プロダクトの可能性を示すというコンセプトの上に行われた。『Bisazza』のマテリアルを従来どおり平面的に使用するのではなく、彼のプロダクトに立体的に当てはめることで、そのコンセプトを閲覧者に明示したのだ。同時に、このインスタレーションは、アートの表現における限界を試すものでもあった。私たちは、かつて体験したことのないような、彼の刺激的な世界観に、その試みを納得せざるを得ないだろう。
彼は「私は、このインスタレーションで、私のインテリアの世界への扉を提供します。」と言う。あなたもこのモノグラフで彼のインスタレーションを追体験し、そっと、その扉を開けてみては?
(c) Gestalten, Berlin 2008 もう1つ紹介しておきたいのが、Jaime Hayonが行ったスペインのレストラン『LA Terraza del Casino』のリノベーション。そこでは、元々のあった壮観とJaime Hayonのコンテンポラリーなデザインが融合して、新たな価値観が生み出された。その空間は、レストランでありながら、インスタレーションの様相をもなした。
2つのデザイン要素のコンビネーションによる相乗効果は、豪勢であり機能的。つまり、エンターテイメント性だけの追求ではなく、本質的にレストランとしての機能性も兼ねた、サステナブルなデザインなのだ。
Jaime Hayonは言う、「美食は、私の1つのパッションである」と。そんな彼がプロデュースするこのレストランで、おいしい料理に舌鼓を打てば、きっと料理のポテンシャル以上の満足が得られることだろう。Jaime Hayonの世界観における一旦の集大成ともいえる、このリノベーション。ぜひともご覧になって欲しい。
(c) Gestalten, Berlin 2008
このモノグラフは、コース料理における前菜のようなものだ。前菜は、シェフの腕前を知ると同時に、メインディッシュへの食欲と期待感を高めてくれる重要なもの。まさに、このモノグラフを形容するにぴったりだ。Jaime Hayonという鋭い感性を持ったデザイナーの偉大さを知り、大いに期待を持とうではないか。ただ、『Jaime Hayon Works』という名の前菜は、そこらの2級レストランのものとは訳が違う。ミシュラン3つ星レストランのメインとしても成立しうる、言わば『完全なる前菜』だ。ぜひこのJaime Hayonの約5年間の軌跡で調理された、『完全なる前菜』をたっぷり堪能してみて欲しい。
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Design Conference HIGH5 2
October 6, 2008
2008年11月24日(月 - 祝日)にクリエイティブポータルサイト[HITSPAPER]が主催するデザインカンファレンス[HIGH5 2]が開催されます。HIGH5とは一線で活躍するクリエーターが一堂に会し、自身のクリエイティブフィロソフィーやアートワークのアウトプットフローをプレゼンテーションするトークイベント。スピーカーは、artless / 川上 俊、丹下紘希、Nam、qubibi、Stefan Sagmeister、Wieden + Kennedy Tokyo / +CRUZ。

Toru Nagahama "Layout of Everyday"
October 5, 2008
G/P galleryにて10月10日から、写真家 長浜徹のエキシビジョン「レイアウト・オブ・エブリディ」が開催される。また、本展開催を記念して写真家 小山泰介と長浜徹のトークショーが行われる。司会は『 +81』の山下悟氏が参加。

Quartz Composer Book
October 4, 2008
本書は、Quartz ComposerというMac OS Xの開発ツールを紹介するもので、リアルタイムモーショングラフィックスにおける表現の可能性について、感性とテクノロジーの2つの側面からアプローチする一冊。Quartz Composerが紡ぎ出す、たゆたうモーション・グラフィックスの世界を、Webサイト「未来派図画工作」の鹿野 護氏が紹介する。

Taisuke Koyama ×Gentaro Ishizuka
October 3, 2008
2008年9月1日、アートビートパブリッシャーズ&G/P galleryより刊行となった今最も注目の若手写真家・小山泰介の最新作『entropix』。G/P galleryにて、その出版を記念し、同じく日本の若手写真家・石塚元太良氏と、トークセッションが開催される。

DIESEL XXX & VIRGIN ATLANTIC AIRWAYS CAMPAIGN
September 30, 2008
イタリアのプレミアム・カジュアル・ブランドDIESELが、30周年を記念して世界17カ国で"DIESEL XXX"として同日開催される。日本では2008年10月11(土)、幕張メッセにて行われる。

"BOZO at Revelations/"
September 30, 2008
アート・ディレクター / ペインター等の活動をしているSHOHEI TAKASAKIがスタートさせたプライベート・ シリーズ「BOZO SKELETON」が、セレクトショップRevelations/にて「"BOZO" at Revelations/」として開催される。























