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Less and More – The Design Ethos of Dieter Rams

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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin

Text by Goshi Uhira

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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin


ドイツのインダストリアルデザイナー、ディーター・ラムス。
周知の通り、彼は30年以上に渡りブラウン社のデザインディレクターとして従事し、数多くの名作を世に送り出してきた。
今回ご紹介する一冊は、2009年に開催された企画展「純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代―機能主義デザイン再考」の際に販売された図録をゲシュタルテンが英/独語版として再販したもの。

アートディレクションを手掛けたシマダタモツ氏は、この図録”Less and More”で、2009年ニューヨークADC金賞を獲得している。
このプロジェクトの為に制作されたオリジナルフォント”Rein”も実に秀逸だ。


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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin


“Less and More”
この言葉を日本語に訳すと「より少なく、より良いものを」となる。
これは、過剰な要素を削ぎ落とし本質を極めようとするディーター・ラムスのデザインに対する姿勢を端的に表現したもの。

1960年に28歳のディーター・ラムスによってデザインされた606ユニバーサルシェルビングシステムは、半世紀を経た今も尚、英国のVITSOE(ヴィツゥ)社より生産され続けている。
国内では、D&DEPARTMENT PROJECTの東京店と大阪店にて取り扱いを行っている。
http://www.d-department.com/jp/project/vitsoe/


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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin


また、ディーター・ラムスが1980年代にまとめた「グッドデザインの10原則」は、30年経った現在でも私たちの心に強く響く。
既にご存知の方も多いと思うが、ここで改めてご紹介させていただきたい。


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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin


・良いデザインは革新的である
革新の可能性は決して尽きることはない。
技術的進歩は常に、革新的デザインに新しい機会を提供する。
革新的なデザインは常に革新的な技術と並行して発展し、それ自体が終わることは決してない。

・良いデザインは機能的である
製品は使われるために購入される。
製品は特定の基準を満たさなければならない。
これには機能性だけではなく、心理的および美的な基準も含まれる。
良いデザインは、実用性を損なう可能性のあるすべてのものを排除しながら、製品の実用性を重視する。

・良いデザインは美的である
製品の美的な側面はその実用性に不可欠である。
それは、私たちが毎日使う製品は、快適な暮らしに影響を与えるためである。
ただし、うまく実現できたオブジェクトのみが美しくなり得る。


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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin


・良いデザインは製品をわかり易くする
それは製品の構造を明らかにする。
製品に自ら語らせることができれば尚良い。
一目瞭然であれば、最高だ。

・良いデザインは出しゃばらない
目的を遂行する製品はツールのようである。
それらは装飾的でもなく、芸術品でもない。
そのため、使う人が自分らしさを表現できる余地を残した、ニュートラルで抑制の効いたデザインであるべきである。


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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin


・良いデザインは正直である
それは製品を、実際以上に独創的とか、効率的であるかのように見せかけない。
消費者を惑わせるようなものであってはならない。

・良いデザインは長持ちする
流行を取り入れないため、決して時代遅れにならない。
それは流行を追った、今日の使い捨て社会とは対極にある、長く使えるもの。


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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin


・良いデザインは細部まで周到である
不明瞭であったり、成り行きまかせな部分があってはいけない。
デザイン過程の配慮と精密さが消費者に対する敬意となる。

・良いデザインは、環境にやさしい
デザインは、環境保全に重要な貢献をする。
製品のライフサイクルを通じて、資源を節約する。
物理的な汚染だけでなく、視覚的に世の中を汚染することもあってはならない。

・良いデザインは最小限である
Less, but better(ミニマルで機能的)―それは、本質的な面に集中し、製品が本質的ではないものを排除するためである。
本質とシンプルさへと立ち返る。


では、現実はどうだろうか。
彼のメッセージに逆らうかのように、現代の社会はあらゆる形や機能を持った製品で溢れかえっている。
次々と製品はアップデートされ、その度に多くの人が新しい製品へとこぞって買い替えていく。


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Less and More © 2011 Gestalten, Berlin


人間のエゴによって生み出された、大量生産→大量消費→大量破棄という悪循環。
こうした悪循環を幾度となく繰り返す人間に対して、自然は容赦なく牙を剥く。
もうこれ以上、私たちは自然を痛めつけてはならない。
今こそ、デザインを通して自然と向き合ってきた彼の言葉にそっと耳を傾けてみてほしい。

http://www.gestalten.com/motion/dieter-rams



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書名:Less and More – The Design Ethos of Dieter Rams
編者:Klaus Klemp, Keiko Ueki-Polet
発売:2010年1月
判型:19 x 23cm
頁数:808ページ
仕様:オールカラー版、PCVカバー、スリップケース入り
言語:英/独語版
ISBN: 978-3-89955-277-5
価格:49.90ユーロ / 78.00ドル
書籍プレビュー:https://shop.gestalten.com/index.php/catalog/product/view/id/365

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