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Data Flow 2 – Visualizing Information in Graphic Design -

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Data Flow 2 (c) 2011 Gestalten, Berlin


text by goshi uhira

文字は時として無力だ。
目眩がするような大量の文字で埋めつくされた難解なデータも、ほんの一枚の絵によって、一瞬にして理解へと変わることがある。
ドイツの出版社”Gestalten“より出版された「Data Flow 2 -Visualizing Information in Graphic Design-」という一冊の本は、そんなことを私たちに改めて認識させてくれる。
同書は、好評を博した前作「Data Flow」 の続編であり、世界中から選りすぐられた良質なインフォグラフィックスの作品群を、[Dataprocess][Datablocks] [Datacircles][Datacurves][Datalogy][Datanets][Datamaps][Dataesthetic]の8つ のカテゴリーに分類し、体系的に収録している。


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Data Flow 2 (c) 2011 Gestalten, Berlin


インフォグラフィックスとは、「インフォメーション(情報)」と「グラフィックス(図版)」を組み合わせた造語で、社会に溢れるおびただしい数の情報を整理し、視覚的な表現で、相手に分かりやすく伝える手法のことだ。
インフォグラフィックスは、先史時代の洞窟壁画に端を発し、イラストを用いた図説を意味するダイアグラムから、新聞や雑誌、Webなど、情報を伝えるコミュニケーション・デザインの分野へとその領域を拡大してきた。
近年になると、急速に社会の情報化が進み、それに合わせてインフォグラフィックスに対する需要も自ずと増加し、今日まで発展を遂げてきた。
そのため、それらの多くはすでに私たちの暮らす社会に深く溶け込み、ごく自然な生活の一部分となっている。
道路標識、駅の路線案内、取り扱い説明書、株価チャートなどが、その一例だ。

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Data Flow 2 (c) 2011 Gestalten, Berlin


しかし、国内における今日のインフォグラフィックスの現状を察すると、ある限られた範囲での活用にしか注視されていないように思う。
同様に、その機能面へと意識が集中しがちで、もう一方の重要な要素である視覚的なデザインの美しさが軽視される傾向も伺える。
つまり、私たちの暮らす社会は、インフォグラフィックスの必要性を多くの人が未だ理解できていないという課題を抱えている。
このままでは、私たちは、次々と押し寄せる情報の波に飲み込まれてしまうことになるだろう。

そこで、情報で溢れる私たちの生活を混沌から救い、より豊かで快適なものにしていく為にも、私たちは現状のインフォグラフィックスに対する意識を変え、それらの効果を正しく理解し、もっと柔軟なかたちで活用していくことが望ましいと考える。

ではここで少し、本書に掲載されている作品を取り上げ、インフォグラフィックスの具体的な活用事例をご紹介していきたい。

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Data Flow 2 (c) 2011 Gestalten, Berlin


“HIGH ALTITUDE” – Michael Najjar
このプロジェクトは、過去20年から30年の間の世界の株式市場の成長指数を取り上げ、その動向を視覚化したものである。
写真の舞台となっているアコンカグア山は、標高6,962mのアンデス山脈にある南米最高峰の山だ。
常に揺れ動く世界の経済指数と、スピードはゆっくりながらも確実に日々進化を続けるアンデスの大自然とを見事に対比させ、現実と非現実をクロスさせたそのビジュアルは、私たちに鮮烈な印象を与える。

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Data Flow 2 (c) 2011 Gestalten, Berlin


“KINETIC SCULPTURE” – ART+COM AG
“KINETIC SCULPTURE(有機的彫刻)”と名付けられたこの作品は、ドイツのBMWミュージアムにて展示されたものだ。
天井から吊るされた714の金属球が、個別に調節可能なモーターによって上下に運動を繰り返す。
それは無秩序な上下運動から始まり、約7分間の中で徐々にBMWの歴代のクルマの美しいフォルムへと姿を変えていく。
その優美な動きは、私たちの視線を釘付けにし、無機質な金属球がまるで有機的な生き物であるかのように錯覚させる。
この作品は、ある完成されたフォルムへのプロセスの多様性を、テクノロジーとアートを横断した手法によって鮮やかに表現することに成功している。

このように、本書に収録されているインフォグラフィックス作品は、どれもこれまで私たちが日常で何気なく接してきたそれらとは明らかに異なっている。
斬新なアイデアに基づいて表現されたそれらの作品は、私たちに鋭く確かなメッセージを発している。

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Data Flow 2 (c) 2011 Gestalten, Berlin


このような広範に渡る内容のインフォグラフィックスの制作に取り組むためには、感覚的な造形センスは勿論のこと、内容を把握し編集するための論理的な思考力も必須となる。
加えて、それらに付随するあらゆる事柄に関する知識や関心、時には政治的な姿勢も必要となるだろう。
まさに、こうした横断的な能力は、今後の時代をデザイナーとして生きていく人間に対して求められているものそのものだと言える。

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Data Flow 2 (c) 2011 Gestalten, Berlin


冒頭でも述べたように、文字は時として無力となる。
そんな時に必要となるのが、この複雑に絡み合った情報を丁寧にひも解き、洗練されたビジュアルへと鮮やかに結びつけるインフォグラフィックスの力なのである。

読者の中には、すでにその必要性を肌で感じている方も多いのではないだろうか。
そのような方には勿論、もしそうでない方にも、情報化社会を生きる一人の人間として、まずは、ぜひ本書を手に取ってみることをお薦めしたい。
ここから何かしらのアイデアやヒントを得られること請け合いである。


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Gestalten
Gestalten Japan (tel: 0422-30-9326)

Data Flow 2
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