その土地で出会った年齢や職業など多岐にわたる人々、またミュージシャンやクリエイターとのコラボレーションを重ねながら記憶と現実が交錯する「場」を創造。アーティスト・渡辺睦子の展覧会「NETTING AIR ー FROM THE LOW LAND:空を編むー低い土地から」
POSTにて、オランダ・アムステルダムを拠点に活動するアーティスト・渡辺睦子の展覧会「NETTING AIR ー FROM THE LOW LAND:空を編むー低い土地から」が開催される。会期は、2018年9月28日(金)〜10月21日(日)。
渡部はこれまで、制作するプロセスを重視し、偶然にそこで見つけたものを大切にして作品にしてきた。それらは新しいコミュニケーションのツールとも言えるもので、その土地で出会った年齢や職業など多岐にわたる人々や、またミュージシャンやクリエイターとのコラボレーションを重ねながら、記憶と現実が交錯する「場」を創造してきた、とも捉えることが可能な作家である。
アムステルダムにあるロイドホテル&カルチャーエンバシーで初めてのアーティスト・イン・ レジデンスの作家として制作した《ロイド・ライフ》(2010年)や、2018年には老舗写真美術館であるハウス・マルセイユ写真美術館(オランダ)で展示を開催するなど、アートを介し異なる国や文化、コミュニティを訪れ、「地元の人に何かを教えてもらう」ことをキーワードにさまざまな形態を用いて作品の制作が試行されている。
本展では、ハウス・マルセイユ写真美術館で展示された新作《The Third House Owner》のプレビュー・バージョンの映像作品や、代表作のひとつ 「Survival Net Project」が紹介される。
また、23年の間に制作してきた作品の中から「Survival Net Project」、「Tide」、「Lloyd Life」、「Island Tracing」、「Dog Folly」の5つのプロジェクトを選び、アイデア・スケッチや、リサーチの様子、 実際の展示風景やパフィーマンス写真などと共に、自身が書き下ろしたふんだんなテキストを交え、構成された新たな作品集は必見だ。5プロジェクトごとに、彼女の制作に関わってきたアートディレクターや知識人による寄稿文も収録。巻末では主だった活動一覧を写真とテキストで掲載、これまでの制作を多角的に掘り下げた一冊と言えるだろう。
Photo by
Installation view of The Third House Owner, 2018, Huis Marseille Museum for Photography, Amsterdam
© Chikako Watanabe
<展覧会概要>
渡部睦子 / NETTING AIR ー FROM THE LOW LAND:空を編むー低い土地から
会期 | 2018年9月28日(金) – 10月21日(日)
オープニングレセプション | 2018年9月28日(金) 19:00-21:00
スペシャル・パフォーマンス | MAMIUMU
会場 | POST
住所 | 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
時間 | 12:00 – 20:00
定休日 | 毎週月曜日
協力 | オランダ大使館
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書籍『Netting Air – From the Low Land 空を編むー低い土地から』
執筆陣 | アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ(言語学者)、マシャ・ルーシンク(美術史家)、スザンヌ・オクセナー(キュレーター / アーティスティック・ディレクター)、原久子(アートプロデューサー)、イヴォンヌ・トゥイスク(アラード・ピアソン博物館財務責任者)
著者 | 渡部睦子
執筆 | アブドゥルラッハマン・ギュルベヤズ、マシャ・ルーシンク、スザンヌ・オクセナー、 原久子、 イヴォンヌ・トゥイスク
デザイン | ヒロイクミ
定価 | 4,800円(税別)
判型 | B5判タテ / ハードカバー(コデックス装) / 142ページ
テキスト | 日英
発行日 | 2018年9月
ISBN | 978-4-908062-21-6
発行元 | HeHe / ヒヒ
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