「私はあなたの見ているものを見ている。しかし、私はそこにはいない」okamotonoriaki による、各地の友人達の日常を捉えた「HERE/THERE」の全編MV公開



 映像作家/音楽家の okamotonoriaki によって、2018年にデジタルリリースされた1トラック22分のEP「HERE/THERE」と、同時に製作されていたミュージックビデオが全編公開された。
 本作は、各地に住む、okamotonoriaki の友人に「あなたの住む街の日常の風景を撮影し、送って欲しい」という問いかけからスタートした。手元に届いた90本の映像から編集された本作は、「HERE/THERE」とタイトルにあるように、私たちが見ている (認識している) 世界があくまで断片であることを示唆するような、パラレルな視点の構成になっている。
 興味深いのは、それぞれの住んでいる場所や注目すべきことは異なるのに、全体で統一された一本の物語に仕上がっていることだ。各々の異なる視点や語り口が、okamotonoriaki の眼を通すことによって不思議な調和を生み出している。そこには彼が、文化か言語、住む土地や流れる時間が異なりながらも、何か共通なるものを見出したい、という想いが見え隠れしているように見える。
 SNSや動画配信プラットフォームには、多くの視点が毎日、毎秒アップロードされるようになり、私たちは以前よりも自分以外の世界を意識するようになった。しかし、同時に世界は限りなく膨張し、ひとつの視点は蔑ろにされていく傾向にあるのかもしれない。そのような膨張する視点の中で、いったい何を見出していくのか、私たち現代人が持つ視点の在り方が問われるような作品だと感じた。果たして、あなたはこの映像作品に何を見るだろうか。




okamotonoriaki – HERE/THERE
youtu.be/jsVSd3UVYr8
okamotonoriaki Web
www.okamotonoriakiaudiovisual.com