Interview with トクマルシューゴ

l_tokkumaru_01.jpg
©Hideki Otsuka

Official Site: www.shugotokumaru.com/
Interview by Subaru Matsukura


皮肉なものでトクマルシューゴの才能にいち早く気付いたのは日本ではなく、世界だった。
2004年にN.YのインディーレーベルMusic Relatedより1stアルバム『Night Piece』をリリース。
無名の日本人、かつ日本語歌詞にも関わらず各国のメディアから絶賛を浴びた。
世界がトクマルシューゴに気付いた瞬間である。
トクマルシューゴのクリエイションを言葉で表現する事の難しさを既にリスナーの人はご理解いただけるだろう。散りばめられた様々な楽器たちが生命力あふれる音色を重ね、トクマルシューゴのボーカルが春風のように気持ちよく身体を撫でていく感覚。まるで自分自身も楽器の一部のように音の世界の住人となっている事を後になって気付く。
今や日本中、世界中の注目を集めるトクマルシューゴに音楽を始めるきっかけから創作過程を伺った。



Hitspaper:トクマルシューゴさんが音楽活動を始めるきっかけについて教えてください。

Tokumaru Shugo:音楽は小さい頃からずっと好きで、ピアノやギターに触れていくうちにだんだんとその面白さにつかれていったんだと思います。大きなきっかけはないかもしれないです。






Hitspaper: 2年半ぶりとなるフル・アルバム「Port Entropy」ですが、この2年半で大きな変化はありましたか?また本作のコンセプトなどありますか?

Tokumaru Shugo:大きな変化はありません。ツアーなどいろいろあり、こつこつと何十曲も作っていたら2年半経ちました。
今回はとにかく、自分なりの集大成的な「良い曲」を集めたアルバムを作ることに全てを注ぎました。



Hitspaper:トクマルシューゴさんの創作活動にとって、インスピレーションの元は何ですか?

Tokumaru Shugo:特にないと言えばないです。いろんな場所へ行ったり、いろんな曲を聞いて、いろいろ考えることをいつもしています。もちろん自分で作った音に影響されてイメージが膨らむこともあります。



l_tokkumaru_02.jpg
© Mosaic Music Festival



Hitspaper:新作を発表するにつれ、トクマルシューゴさんの世界観がどんどんと国境を越えていく印象を受けます。日本人独特の感性というより、人間が根本のところで共有している「人間らしさ」、「感情」など、そういった共有地に通じ合っている小道を造っている印象です。例えば、春になれば心がウキウキしたり、知らない道に迷い込んでみるとワクワクする感じに似ています。トクマルシューゴさん自身、音楽を作るときにどのような心境で作成されているのでしょうか。
また音楽が生まれる瞬間というのは、どういった状況だったりするのでしょうか。

Tokumaru Shugo:あまり何かを見たり聞いたりして感情が動く方ではないのですが、音楽を聴くとそういう感情が湧いてくることも多いので、自分の曲でもそうなれば良いな、というのが理想のひとつです。それと自分の作曲の根源は、もっとこんな音楽があるはずなのにな、と思った時ですね。無いものをあると妄想してしまうことも面白いものです。



Hitspaper:ほぼ全ての楽曲をトクマルシューゴさん、一人で作成されているとのことですが、本当に多くの楽器や楽器でないものまでを楽器として使用していますよね?このような創作作業は実験的な感覚で取り入れているのでしょうか。

Tokumaru Shugo:曲を作った時点でそういう音を必要とする場合が多いです。でも、もちろん実験や偶然による結果でもあります。ただいろんな楽器を集めて鳴らしていることが好きなんです。






Hitspaper:音楽が生まれるきっかけはなんですか?私個人の推測ですが、日常生活の中で当たり前にある出来事やちょっと遊んでみた音がきっかけで音楽へと昇華したものなどあるような気がするのですが、どうでしょうか。

Tokumaru Shugo:わからないです。頭の中や夢で流れていた音楽を再現している部分も大きいですが、それも日々の積み重ねとしか言いようがないかもしれないですし。



Hitspaper:音楽や歌詞のイメージは急にひらめくものなのでしょうか?
それともじわじわと染み渡って生まれるものですか?

Tokumaru Shugo:夢で見ることが多いので、たぶん起きている間に無意識のうちに溜まった情報から、想像がだんだん膨らんでいると思います。



Hitspaper:当初の楽曲はあまり歌われてなかったはずですが、新しい楽曲をリリースする度にボーカルの存在価値が強くなってきていると思います。しかし、ボーカルの存在感というのはトクマルシューゴさんの場合、他の楽器達と同じレイヤーで存在していてい気持ちがいいんです。楽器のひとつであるように声がある。トクマルシューゴさん自身が歌いだしたことに何かきっかけがあったのでしょうか。

Tokumaru Shugo:子供の頃から歌うことは好きだったんですが、人前で歌うのは苦手でした。ただ、人の声の威力は信じていて、歌は楽器のひとつとして作曲を始めた頃からずっと入れていたのですが、最近はそれが上手になってきてしまったのかもしれないですね。



l_tokkumaru_03.jpg



Hitspaper:無印良品、SONYなど企業との仕事も多いですが、こういう場合、どのような流れで楽曲を作り上げていくのですか?その企業のエッセンスから派生させているのでしょうか。特に無印良品の楽曲など一度聴くと耳からは慣れずとても前から無印良品の音であったかのようなフィット感がありました。
こういったクライアントワークと自身の創作活動とでは何か大きな違いはありましたか?

Tokumaru Shugo:誰かがイメージしたものを具現化する作業なので、ひとりでやっているときとは発想の根源が違いますが、基本的に自分が作れるものは同じです。 依頼してくれた人のイメージと自分のイメージが合致したものが完成するとかなり嬉しいですね。自分ひとりで作った喜びとはまた違います。
 


Hitspaper:今後、どのような音楽を作っていきたいですか?もし展望があればお聞かせください。

Tokumaru Shugo:全く今までとは違う音楽で自分が聞きたかった曲を作ってみたいとも思いますし、いままでのものを突き詰める作業も繰り返しやっていきたいです。






Hitspaper:音楽のジャンルは規定できない、なんてことをよく言いますが、逆にトクマルシューゴさんの楽曲は、様々なジャンルが仲良く同居しているように聴こえるんです。普通、ジャンルが混在している楽曲は、聴きにくい印象があるのですが、これまでのトクマルシューゴの楽曲も含めニューアルバムの「Port Entropy」は、すんなり耳に入ってきてずっと聴ける。なぜずっと聴けるのか、聴いた事の無い音なのに抵抗を感じないのか。それを個人的に考えていたのですが、計算された音楽ジャンルの組み合わせではなく、「トクマルシューゴさんにとって当たり前」なことが、この音楽ジャンルの同居だったりするんじゃないかと思ったんです。皆別々に存在してるんじゃなく、皆同じ世界に住んでいる。それはトクマルシューゴさんが様々な楽器を用いてひとつの楽曲を作り上げていくように既に「ジャンル」という意味合い自体、トクマルシューゴさんにとって、特に意識するものではない、といった印象、というか想像をしているんですが、どうなんでしょうか。トクマルシューゴさんにとっての音楽のカテゴライズに関する考えをお聞かせください。

Tokumaru Shugo:楽器にはジャンルはないんですよね。こういうジャンルにはこの楽器が合うとか、あるジャンルの音楽を演奏するために作られた楽器というのはありますけど、本来あまり関係ないことです。そういう楽器を無差別に混ぜてあげると不思議な世界が出来上がる、ということは僕の音楽の仕組みのひとつです。
カテゴライズについては、リスナーにとっては無限にある音楽への入口として凄く重要なものだと思います。



Hitspaper:最後の質問です。お時間頂きありがとうございました。弊サイトでこれまで多くのクリエイターにインタビューしてきたのですが必ず以下の質問をしています。もしトクマルシューゴさんに思う点あれば是非お聞かせください。
世界では、様々な深刻な問題が起こっています。金融危機、戦争、テロリズム、環境破壊。これらに音楽は何かの解決策を齎すことは可能だと思いますか?

Tokumaru Shugo:すでに起きてしまった問題を音楽でなんとかしようとするのは夢のような話ですが、可能か不可能かで言えば、可能だと思います。自分もいろんな音楽を聴いて、それに影響されたりしながら生きています。音楽だけじゃなく、何かを知ったり聞いたりして人生に何らかの影響を与えられた、その人たちが世の中を形成し、問題を起こしたり解決したりしていくんだと思います。そういった意味では、可能です。



<"PORT ENTROPY" / SHUGO TOKUMARU>
ポート・エントロピー
トクマルシューゴ
Pヴァイン・レコード (2010-04-21)
売り上げランキング: 418
トクマルシューゴ


<PORT ENTROPY TOUR>
5月25日(火) 岡山・城下公会堂 -SOLD OUT- 5月27日(木) 福岡・ROOMS -SOLD OUT- 5月28日(金) 広島・音楽喫茶ヲルガン座 -SOLD OUT- 5月30日(日) 大阪・梅田 Shangri-la -SOLD OUT- 6月03日(木) 北海道・札幌 時計台ホール -SOLD OUT- 6月05日(土) 長野・TAICO CLUB -SOLD OUT- 6月06日(日) 東京・恵比寿 LIQUIDROOM -SOLD OUT- ≫

詳しくはコチラから(www.shugotokumaru.com/)














Track Back (0)

Track Back URL: http://antenna7.com/mt/mt-tb.cgi/907