カメラという銃を向けられた怪物。二ヶ月に渡って変化する三嶋一路の個展「Monster a」

 CAGE GALLERY にて、二ヶ月に渡って変化する三嶋一路の個展「Monster a」が開催される。会期は、2018年5月26日(土)〜2018年7月22日(日)。
 三嶋一路は、東京藝術大学先端芸術表現科在学中より写真家・鈴木理策に師事、写真表現をベースとしながらも、芸術のコンテクストとユーモアをかろやかに引用し、社会や芸術そのものに対する自身のまなざしを提示するアーティストだ。芸術史への批評と造詣からもたらされる三嶋の作品は、同時代表現と呼びうる形態をとることで、レトロスペクティブな印象を避ける。三嶋にとってジャンルやカテゴリーは重要ではなく、常に変化しリアルタイムで生成され続ける「現代」への尽きない関心が、作品の形式へ変換されるのだろう。
 本展「Monster a」は、展示タイトルと同名の作品《Monster a》と、支持体としての役割を担う壁面作品《The quotation》の2つで構成されている。Monster a は作品内で用いられる観葉植物モンステラ(サトイモ科 / ホウライショウ属)を意味するが、その語源である Monster は近代理性によって排除された異物であり、カメラという銃を向けられた怪物でもある。作品に組み込まれたプログラムにより、モンステラ=怪物は写真という媒介に置き換えられながら会期中に大量生産される。それはタスク処理的で目的のない「労働 Labor」であり、アートによるアートのための、繰り返されるマスプロダクションシステムを表しているのかもしれない。
 二ヶ月に渡って変化し続ける本展に、ぜひ足を運んでいただきたい。

 
 

三嶋一路「Monster a」
会期 | 2018年5月26日(土)〜 2018年7月22日(日)
点灯時間 | 11:00 – 20:00
会場 | CAGE GALLERY
住所 | 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2-16-8 1F
*自動撮影 | 点灯時間内の毎時00分と30分にプログラム
cagegallery.com

三嶋一路 Ichiro Mishima
1986年大阪生まれ。秋田公立美術工芸短期大学鋳金専攻、東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。
大学院在学中から他作家の制作協力、展覧会施工の仕事を開始、2015年より活動範囲を広げ、広告やイベント制作を手がける。
2017年アートスタジオmishima.artを設立し、同時に作家活動を再開。mishima.artは、展示設計、制作協力、記録撮影、コラボレーションなどを行い、芸術の生産と受容に従事している。
mishima.art
主な展覧会及びプロジェクト
《MUD, TOKYO And SWIMMING》imlabor at Park Tower Hall Gallery1(2017年)
美術手帖で連載中の青柳龍太《我、発見せり》の写真を担当