soe / Interview With Soichiro Ito

H.P : soe-tokyo.com
Interview by arata sasaki
soe
2001-2002秋冬よりアパレルブランドsoeとして誕生。2004-2005秋冬より東京コレクションにデビューし、本年度、2008年春夏にはパリ メンズコレクションに出展。また、春には中目黒にて新たなコンセプトストアをスタートさせる。デザイナーは伊藤壮一郎。
今回はsoeのデザイナー伊藤壮一郎氏に、自身のアイデンティティからsoeにおける服造りのフィロソフィー、ソーシャルステイトメントを中心に話を聞いた。
Hitspaper:初めにアパレルデザイナーになるきっかけ、経緯を教えて下さい。
Soichiro:20歳の頃、山本耀司さんのアシスタントでもあったあるデザイナーさんの方に非常に感化を受け、自然にアパレルデザイナーへの道へ進んでいました。
何かのきっかけがあった訳でなく本当に自然とそうなりましたね。
Hitspaper:そうなんですね。では、アパレルデザインに興味を抱かれたきっかけを教えて下さい?
Soichiro:正直、昔はあまり服には興味がなく、寧ろ芝居等に興味がありました。
そんな風にあまり興味がなかった私ですが、ロンドンに留学している時ちょっと塞ぎ込んでしまった時期がありまして、人とコミュニケーションが取れなくなってしまったんです。
そんな苦しい時期に、周りに居たアパレル関係の方々に助けられて、アパレルとの接点を見つめ直すきっかけになったと思います。
今でも、私の周りの方々が私のリハビリに付き合ってくれている感覚はありますよ。
ですから、今のアパレルデザイナーという職業は私が社会との繋がりを相対的に成立させているものなんです。

Hitspaper:学生時代に立ち上げたsoeですがこのネーミングの由来について教えて戴けますか?
Soichiro:色々ありますが結局のところ、自分の名前(壮一郎)ですね。そこに創意という言葉を当て込んだりしていますが、、、
原点はやはり自分の名前です。

Hitspaper:2001年からスタートして現在7年という歳月が経過しました。この7年間、ブランドとしてまた自身の中で変遷したもの、もしくは不変のものはありますか?
Soichiro:そうですね、、、色々何もかも変わりましたね。感覚が大人になるにつれそれは大きく変遷していきます。
Hitspaper:服作りに対するフィロソフィーは変化しましたか?
Soichiro:一貫して変わらないことは、「上品で美しくあること」ということです。
変化したことは、女性の目や第3者の目を強く意識するようになりました。
立ち上げ当初は、一点に向き合って、他人の目にどう映るかというかよりはアートピースを創るイメージに近ったですね。
現在では、それぞれ着衣する人間性を引き立たせるといった控えめながら個性がある服造りを意識しています。


Hitspaper:シーズンのテーマはどのように決めていますか?
Soichiro:興味深い写真をピックアップしてイメージを創造します。例えば、労働者の集合写真などですね。
その際、その時代との距離感を大事にしています。その写真から伝わるクラシック、トラディッショナル、オーセンティックと自分の距離感。
Hitspaper:それでは実際、今期のテーマである"yellow"はどのように決めたのでしょうか?
Soichiro:これもまた1枚の写真からですね。具体的にはアメリカ大統領ケネディの休日の写真です。
今期は初めから"yellow"にしようと決定した訳ではなく、雑談レベルから派生してもので、
実際制作してみて今期は"yellow"のテーマがしっくり来るだろうと確信しました。

Hitspaper:イメージから実際の着地点であるプロダクトへはどのように落とし込んで行くのでしょうか?
そのプロセスを教えて下さい。
Soichiro:最初はテクニックの軸、イメージの軸、その各々を最大まで引っ張りブラッシュアップしていきます。
そして、最後にその両者をコンバインしてバランスをとっていく。
勿論、テーマは洗いざらい調べ上げてから、すべての資料を知った上で敢えてそれはやらないといったことも行っています。
Hitspaper:レディース展開はやられないのですか?
Soichiro:そうですね、、、今はまだメンズをしっかり取り組んでいきたいと思っています。
まだ、勉強することが多く存在しますから。
それから、どうしても最終的なクオリティは縫製工場さんとの連携が重要なので、まだレディースについてはその整備が出来ていないと思っています。しかし、いつかは必ずやるでしょうね。憶いはとても強いです。
Hitspaper:伊藤さんご自身7年間デザイナーをしつつ、このsoeというブランドの全体組織もデザインするという役割を担ってきました。現在、この組織をデザインするという観点で大事にされていることは何でしょうか?
Soichiro:携わる各々の人間がプライドを持って仕事をするということですね。
まだ小さなブランドなのでスタッフ、それから縫製工場の方々、それぞれの立場で。
そして成長過程を楽しんでもらいたいと思っています。
また社会的にも、世代の責任というものも感じています。そして今後、大きく変遷するであろう次世代に向けて準備をしています。

Hitspaper:現在、モノを制作するという事柄や過程が社会的視点から大きく問われるようになりました。この事について壮一郎さんのイデオロギーを教えて下さい。
Soichiro:あまり考えないようにしています。オーガニックを使用してという取り組みが多く見られますが、まだまだ、私たちは若いのである程度我儘にモノを制作するべきと思うんですね。
日本の川中産業を守っていくという憶いはやっぱりありますが、まだそこまで第一優先させる余裕がないですから。

Hitspaper:将来的にやりたいことはありますか?
Soichiro:特別考えてないですね。1歩1歩、今の服造りのクオリティを上げていきたいです。
何かを抱えながら成長していくものだと思いますし、それが一番大事のような気がします。
だから、今は考えすぎないということを選択していますね。
Hitspaper:長いインタビューありがとうございました。
Soichiro:こちらこそありがとうございました。
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