SHIMURABROS. / Interview by Yuka and Kentaro

Official: www.shimurabros.com
Interview by nanase toyoshima
機関車をCTスキャン
Hitspaper:初めにSHIMURABROS.さんをご存知ない方々に向けて自己紹介をお願いできますでしょうか?
Yuka&Kentaro:SHIMURABROS.はユカとケンタロウによる姉弟のアーティストユニットです。映画をベースに、メディアアートやインスタレーションなどの映像表現活動をしています。
映像というと、TVモニターやプロジェクションなどを思い起こす方がお多いかもしれませんが、私たちは映像メディアをとおして、感触や存在感など実体のあるものとして存在させることを心がけています。
そのために、既存のフィルムプロダクションだけではなく、時には上映装置の発明なども手段として駆使し表現を行っています。
Hitspaper:では過去の作品について教えて下さいますか。「X-RAY TRAIN」インパクトありますね。簡単にご説明お願いできますか?
Yuka&Kentaro:X-RAY TRAINは、X線撮影された機関車を、特殊なスクリーンを通して実体化させる作品です。
有名な逸話なのですが、映画の父リュミエールブラザーズが、駅に到着する機関車を撮影した映画をはじめて上映したときには、観客がその機関車を本物だと思って逃げだしてしまったそうなんです。それくらい迫力があって、存在感を感じられた映像だったということですね。でも今は、本物ではないということを知って慣れてしまった状態で鑑賞している。スクリーンをも取り込んで作品を制作することで、その「実感する感覚」というものを、現代に呼び起こせないかと考えたんです。
具体的には医療用CTスキャナで撮影した機関車の映像を、レイヤーになっている12枚の特殊なフィルムに、奥から手前へと映し出すことで立体感を出しています。一般的に映画ではスクリーンという二次元のなかで三次元性を追求するという流れがあります。例えば、最近復活してきた眼鏡をかけて3Dに飛び出して見える映画などです。でも、私たちは本当に厚みを持った映像を作りたかった。そこでスクリーンに実際に奥行きを持たせて、「光の厚み」を作り出すことを思いつきました。

Hitspaper:機関車のスキャンですが、これはCTスキャナですか?
Yuka:そうです。これはCTスキャンで機関車の断面図を撮影しました。
Kentaro:レントゲンのX線技師さんにお願いして、お借りしました。
けれど、当然ながらCTスキャナって機関車を撮るようにできてない。
僕らが使ったのって人間用のCTスキャンなんですけど、乱反射するんですよねX線が。
それがこう、光り輝いたような映像になるんですけど、レントゲンのX線技師さんはなんかこれが間違ってるよって、消そうとするんですけど。僕らとしてはこっちのほうがかっこいいかなって。
格好良く撮って下さいっていう注文、初めて受けたっていってましたけどね。(笑)
Yuka:これエラーだよって言われて、でもエラーが格好良いって結構ありますよね。
Hitspaper:写真は意図してなかったんですか?
Kentaro:僕らは、X線に関しては、経験がないんでどういう絵が出てくるかっていうのは毎回解らない。
そこが怖いところでもあり、面白いところでもあるんですけどね。
それで、実際現場に持って行って、技術者と話しながら作り込んでいく。
Hitspaper:ちょっと驚いたのは、人と電車だとサイズがだいぶ違いますが、こういった大きなサイズのモノも撮れるんですね。
Kentaro:これは実はちょっとした裏技がありまして、、、
Yuka:そう、トリックがありまして。
これ実は16分の1モデルなんですよ。本物と同じ機構で、蒸気上げて走るんです実際に。
Kentaro:16分の1っていっても、元が機関車なので、ちょうど僕ぐらいの大きさです。
だから、協力してもらった病院の、人間ドックへ機関車抱えて、患者さんにまざって並んで待ちました。(笑)
Hitspaper:あ、持って行ったんですね?
Yuka&Kentaro: はい。(笑)
Kentaro:お医者さんに非常に僕らの企画を気に入って貰って、協力してくれる事になりました。が、普通の病院ですからね、、、この為に時間を割けないと。当然ですよね。(笑) だから、並ぶしかないっていう、、、

Hitspaper:そうまでして、この機関車を撮影したかったのですね。
Kentaro:リュミエール兄弟の撮った機関車とほぼ同じ機関車なんですよ。それと同じものを探した訳です。
Yuka:最初に、ウェブで全部検索して。そうしたら、この精巧なミニチュアの模型を製造している会社が2つだけ発見されて。
大阪の方は、人間が乗る用なんですね。子供が乗るようなのでNGで。
東京のほうもタウンページ等で色々検索して、電話片っ端から掛けていったら、映画で使われたモノとほぼ同じ機関車があるってことで、まず見に行かせていただいて、そしたら部長さんの好意で貸し出していただけるってことになって。
Kentaro:製造された方がたも皆、見た事ないから見てみたいと、、、倉庫に眠っているだけじゃ勿体ないという事で。
「イメージの世界に行ってしまったものを蘇えらせる」

Kentaro:Kentaro:次に紹介するのは、赤レンガで行った「Hibernation」という、昆虫を撮影した作品なんですけど、今度学会で発表するらしいんですよ。CTの開発者の方が。
Yuka:そうなんです。CTの非破壊検査。そういうものが学会にあるらしく。そこで発表したいと言われています。
Kentaro:システムとしては「X-RAY TRAIN」のやつを縦につり下げるという作品ですね。
Yuka:9mとあるので申請が必要で、建築レベルだから、建築家の人に最後製図とか仕上げて戴いて、、、立たないと言われ続けました(笑)
Hitspaper:これは下から見るんですよね?
Kentaro:横からでも何処からでもいいです。下が一番効果的に見えるポジションですね。
Yuka:この作品は、横浜赤レンガ倉庫1号館(財団法人横浜市芸術文化振興財団)が主催して毎年冬期に行っている、アートリンクという名前のアイススケートリンクの為に作られました。アートとスケートリンクをテーマに、アーティストが映像や光を使用して演出するというパフォーマンスを行っているのですが、そのお仕事の相談を戴いて、ならば、私達にしか出来ないシステムを使用して、今年のスケートリンクを演出したいと考えました。
ゲートとしてここを通ってリンクに入って行くイメージで、眠ってる昆虫を呼び起こすって事にリンクさせました。
Kentaro:昆虫をテーマにしたのは「X-RAY TRAIN」の仕組みによって、だいぶ光りに厚みを持たせることが出来たという実感がありまして。
普通の映像だと光の厚みは、なかなか出ないじゃないですか。
そうなってくると、このスクリーンを使用する事で、目に見える形のモノ、例えば普段見ているような昆虫とはまた別の実体を炙り出せるかもしれないと思ったんです。
そういったイメージのモノを蘇せられないかなと。
ちょうどその頃、もう一人上に台湾に住んでる姉がいるんですが、その子供達が、日本に遊びに来て、昆虫を見せたら、もの凄く怖がるわけですよ。
汚いから外に捨ててとか言われる訳ですよ。僕らが小さい時にくらべて明らかに違う反応なんですよね。
僕らは、実際の昆虫を使って戦わせたり、ちぎったり、ミミズを切ったりして遊んだりしたじゃないですか。今思えば残酷ですけどね。
Hitspaper:心ないことをして育ってきました。(苦笑)
Kentaro:しかし、そこで「死んじゃったんだ」みたいな感触とか、そういった現実を知らせてくれるモノだったんですよね、僕らにとって昆虫というのは。
只、今の子供達って、アニメや、キャラクターとしての昆虫は親しんでいても、実際には地面はほとんど舗装されてて、昆虫に触れ合うチャンスはない。それだけの存在なので、実は子供達が好きな昆虫っていうのは、イメージが先行してしまっているんですね。
実際の昆虫とは違うものだ、だったら、そのイメージの昆虫をそのままイメージのまま、ここに蘇えらせたら、なにか違う視点を提供出来るのではと思ってるんです。それで、このスクリーンに昆虫の体をロードして蘇えらせる事を思いついたのです。
Yuka:ここの大地自体がアスファルトで覆われていて、氷の下の微生物とか、昆虫とかが、埋め立てられて、もうイメージになってしまった昆虫が一杯いる筈だから、ここに蘇えらせるというテーマとしてぴったり合致して、そう考えていたら、ちょうちょがアトリエの窓から舞い込んできて、、、
Kentaro:掃除すると、いっぱい虫の死骸が見つかるんですよ。
それでそのちょうちょに協力してもらってるんです。
そうしたら、今度はスケールがまったく違うモノなので、CTスキャンでも電子顕微鏡レベルで見えるモノでないと像が映らない。その像を見れるものを、また、探しました。
様々な人に聞いて、協力してくれる方に出会えて、、、
「そういえば、使えそうなモノがある。これ使用してみたら?」と言われたので、でぜひお借りしますと。

Hitspaper:実はこのお話を聴く以前に、何となく、魂を呼び戻して儀式的な供養というか、そんなイメージを受けていました。
Kentaro:そうですね。昔はそういったお祭りとか大事な行事だったと思うんですけどね。世の中には常にこの作品ような仕組みや、装置が必要なのかもしれない。
Hitspaper:新しい現代版の儀式のようですね。昔の魂を呼び起こしたりするようなシンボルというか。
Yuka:そういう評価は嬉しいですね。
Kentaro:そうですね。幽霊とかお化けとかに近いのかもしれませんね。
成り立ちみたいなことを語ってくれている、それでいて捉えどころのないような、そういうアプローチもまた進められるかなと思います。
Yuka:ちょうど次のプロジェクトが、もうなくなってしまった、イメージの世界にいったしまったものを、また、蘇えさせる、呼び起こす、というもので。今度は昆虫ではないモノでも良いかもしれませんね。大きな祭りに被せて行く予定でもあるので。
Kentaro:これ、子供達がまず最初にくらい付いてくれるんですよ。
あんまり防御をしないから、ぱっと光ってるだけで近寄ってくれる。
僕が一番面白かったのは、「お母さん、どくどくするよ心臓が!」って言ってずっと下で見ててくれた子供がいて、そういう表層的だけど圧倒するような力を誰かに与えられるっていう、そういう体験が凄く気持ち良ったですね。
Yuka:「X-RAY TRAIN」も最初出したときに、怖いという方がいて、なんか目がチカチカするとか、その場で見れない方もいたから、
リュミエール兄弟がはじめて映画を上映した時も、皆、怖くて劇場から逃げちゃったくらいだったから、そういう意味で言うと似てるかなって思いましたね。
でも、子供達は結構真剣にね、その像にパンチとかしてましたね。
「キーワードは身体性」

Hitspaper:こうして、作品を拝見させてもらうと、身体性が結構キーワードになっていますね?
Yuka:そうですね。「sekilala」の体のエクステンションとかも。
例えば、普通に映像作品を流すと平面になってしまうっていうのがあって、平面になってしまうと、どうしても体としての繋がりが欲しくなって来る。
Kentaro:僕は映画の大学を出て、その後は映像を撮ろうという事で、活動をしていたんですけど、段々と、映画って映像の一つのジャンルじゃないですか、それだけにこだわらなくてもいいんじゃないかってと思って来ました。
Yuka:この作品はチェコのプラハで撮影したんですけど。
イギリスに留学していた時に、プラハ、ポーランドに3ヶ月間、また舞台映画の演出とかの交換で行っていたんですけど、その時に隣のチェコっていう国が、凄く映画が面白いというのを聞いて、チェコに行ってみたら、映画産業がしっかりしているんですよ。
Kentaro:技術が高いのと、映画を撮っているプロダクションとかクルーの年齢が僕らの年齢にすごい近いんですよ。かなり若い人達がやっていて。
Yuka:ちょっと気持ち悪いですがバイオファニチャーという、ネズミをエクステンドして作られた、椅子や家具なんです。
Kentaro:バイオテクノロジーの有名な画像に、ネズミの背中に人間の耳がくっついているというモノがあったじゃないですか、あれって結構衝撃を受けますよね。
その時に思ったのが、もっと伸ばしたら家具になるんじゃないかって。
僕らの場合、皮の製品など革が日常的に身の回りに溢れているんですけど、よく考えるとそれって死骸のパーツであったり、生き物の一部分で、もう死んだものじゃないですか、でそれが身の回りにあるのと生きている生き物がそこにいるのと、どっちが快適なんだろうっていう。
椅子が生きてても、ペットみたいに顔とか付いていて、ご飯とかあげても、それはそれで楽しいんじゃないかな。
そういうネズミを伸ばしてつくったっていう仮定の椅子が、バーチャルでしか触れ合えない家族の中に入って来た時に、実際に触れる、感触があるけれどもネズミだし、家具っていうものと、実際には触れないけれども、実際に自分の血を分けた子供とか家族っていうものの間で、お父さんは揺れて行くっていうストーリーなんです。
Yuka:この家具が未完成なためにすぐ火傷したりて、
修理に来るんですが、未完成なのですぐトラブルを起こしちゃうんです。
面倒見てあげないと生きていけない家具。
Kentaro:実はこれだけ、バーチャルな空間の間を行き来することが出来るんです。お父さん側にも現れるし、家族側にも現れる。
それで、上映形態としては、これを3つのスクリーンで流すんです。それぞれのシーン毎にまとめられたディスクみたいになっていて、それがそれぞれランダムに上映されるんです。
ですので、始まりも終わりもなく、画面が繋がったり離れたりしながら、話がどんどん進行していく。そのようなコンセプトで作品は作られています。

Yuka:必ず3つのスクリーンを使って上映するっていう形態に決めて、これはインスタレーションのビデオアートとして作った作品ですね。
3つのスクリーンにしたのは、お父さんの世界と、お母さんの世界と、それを繋ぐ真ん中という構成だからです。
チェコの科学アカデミーで上映した時に、意外と3つだと分かりにくいかなと思ってたんですが、鑑賞していた人たちはこの形態の方が分かりやすいと言ってました。
Kentaro:3つ用意した事で、自分から入り込む余地が生まれる、というような。
受動ではなく入り込めたと、そういう意味ではこのシステムは非常に機能したかなと思います。
「タイムラインの複合」
Kentaro:この「EICON」も体がテーマですね。
Yuka:この作品は去年、パリコレのメンズで発表したもので、The Viridi-anneのデザイナー、岡庭氏とコラボレーションさせていただきました。
Kentaro:最初は、モデルを使用しないでプレゼンテーションがしたい、なにかやる方法はないか?というアプローチだったんですけど。
それは難しかったので、モデルはいないんだけど、実体感はあるっていうイメージになって、ちょうど前からハイスピードカメラに興味があったので、そのテスト撮影とかしてたんですよ。
それが、衣服がテーマでそれを着ている体の見え方がどうなるか、体が一番前に出ている、前に出てくる映像って何だろうって、考えたときに、実はもう過ぎているけれどスラップスティックコメディとか、チャップリンとかバスター・キートンがやってたことを今見ると衝撃的なスタントをやってるんじゃないかと思いました。
本当にマットなしで飛び降りてる事をやっていて、体だけで物語って行く、体だけで繋げて行く。真剣で、凄く格好良いことなのに、コミカルに見せているっていうのは、あの当時のコマ送り、コマ飛びが起こるような、そういう手回しのカメラでやってるからで、スピードを早くするとああいうコミカルな効果が出てくるんじゃないかと。
体を、あの行いを、もう一度、格好良く再現するには、あの間のコマを埋めてやれば良いんじゃないかという話になり、ハイスピードのカメラを借りてきて。実際にこれは当時の面白いと思ったスラップスティックコメディの動きを、この服を着たモデルさんに再現してもらってるんです。
Kentaro:中に何層かスクリーンをいれて、実際に実体感を出す為に厚みをつけてあげて、プレゼンテーションしたら、みんな中に本当に人がいたと思った、って言って貰いました。
Yuka:最初入っていった時に中に「人間がいる」と。すごいゆっくり動いているから、みんな死んだ人がいるように見えたみたいで。近くに来たら本物じゃない。
Kentaro:一秒を67万コマで撮るカメラをつかいました。実際は、そこまで早く回してないんですけどね。
Hitspaper:一秒をそんなに細分化して、肉眼で追えてないものを見せてるって凄い世界ですね。
Kentaro:でも確かにそこにあるものなんですよ。
「X-RAY TRAIN」もそうなんですけど、確かにそれはそういうものなんですよね。
只、僕らの可視光線で見ていれば見え方は違うけれども、でも、それは嘘でも作り物でもCGでもなくて、そういうもの、それ自体なんですよね。視点を変えてみると、そういうものだっていう。昆虫も視点を変えるとこうものだっていう。なんか飛行機みたいな形なんです。
Yuka:戦闘機。チョウチョが羽を広げた瞬間とかを前から切ると、戦闘機みたいに緻密に出来ていて、羽も節も凄い。相当格好良い。チョウチョ尊敬しちゃいました。(笑)
有機的なイメージが全然変わって見えるところが面白くて、逆に機械とかは角度によっては骨に見えたりとか、有機的なパーツに見えて来たりして。
Hitspaper:そういう身体とか、生態系とかっていうのに興味があるんですね。
Yuka:というのも、メカニカルな作業が多くて、こういった生に触れるとか、触覚とかがすごい気になったりとか、臭いとか。
ロボットと人間の境界線とかも、何が死んでいて、どれが生きているとか、私達が理解していれば、例えば、これはもう殺されていて死んでいるとか、実は死んでいるって言ったけど、実は細胞とかは何百年後とかにDNAをとると、まだ生きていて蘇えらせることが出来たり。その生きていたり、死んでたりっていう境が凄い難しいじゃないかんと思っています。夢と現実の境目とか、そういうところもね、そこまで区切らなくていいんじゃないかなと思います。
私達の手も、自分でみていると境目があるけれど、顕微鏡で見ると、解らななくて、ぼやぼやしているだけ。
Hitspaper:結局は人は小さな細胞の集合ですもんね。
Kentaro:絶えず生まれ変わってますしね。
Hitspaper:自分て存在は何処までなんだろうって思いますよね。
Kentaro:それは実は「sekilala」のテーマでもあって、最後お父さん自身が拡張しちゃうっていう話もあって。
お父さんは、ビルになっちゃうんです。最後はね。明確には映像には出てこないんですけど。その脚本カードっていうので撮影していて、それぞれのスクリーンが独立したカード、シーンが独立したカードになっていて、普通の脚本だといつも脚本を書くと、そのシーンとシーンの辻褄合わせみたいな作業を最後しなくちゃ行けなくなる。それって実はもともとにあったものが落ちていく作業じゃないかって思うんですけど。それで辻褄合わせを一切辞めて、そのカードで独立したシーンとしてそれぞれを撮って行った時に、どんな映画になるかなっていうのをチャレンジしたっていうのがあって。その話の中では、お父さんがビルになっちゃう。
Kentaro:例えば、マイク、カメラで、自分の耳とか目っていうのはすでに拡張してるじゃないですか。だけど触覚とかだけ取り残されてて、そこの肥大化する感覚の大きさの違いにもう僕らですら戸惑いを覚えることが良くある。
それが進行して、目とか耳っていうものは、すごく情報として扱いやすいし、そういうものがどんどん発達して行くじゃないですか、そうなった時に、自分の一番近い触覚っていうのが置き去りにされてるっていう孤立感ていうのは、もっと強くなるんじゃないかなって思っています。
お父さんの欲求で極端に出たら、やっぱりそれをどんどんおっきくしたくなるんじゃないかな、もっともっと欲しいんじゃないかな。
Yuka:このストーリーを見てみていくと、お父さんがインフォメーションセンターの設計の配線のパイプの工事とかをしていて、設計してるところとか出てくるんですけど、インフォメーションセンターが家族を繋いでいる唯一のコンピュータヘッド、頭脳であるから、お父さんはそれになりたくてしょうがない。
Kentaro:色んな話があって、日常の物事の起こり方って、例えば、僕という視点で見ればそれぞれの人の行動とか繋がって来て、一つの物語になるかも知れないけど、それはそもそも繋がっているものとは違うじゃないですか。
それぞれが別々に動いていて、別々に起こっている出来事を読み解くみたいな作業。だから映画も読み解く前のものを出して行っていいんじゃないかなと思っています。そこにある出来事が、単発的に起こるだけど、ある読み解き方では、そういう風に読み解ける。
だから、スクリーンは3つで、常に入れ替わると、その読み解き方がどんどんどんどんシャッフルされていく。だから、受け取る方も自立的にそれを読み取ってる。
Hitspaper:実際の世界も、複数のタイムラインの複合ですよね。その中で自分がどんなふうに、タイムライン同士を結びつけて世界を見ているかっていうことだと思うので、そういう意味では現実の世界を見ているのと近いですよね。
Kentaro:そうですね。そういうところに置いて行きたい。実際、自分も嬉しいとか、楽しいとか思う作品も、そういうものが多い。こういうものは、「何処がいいよ」、というよりも、もうちょっとよく理解出来なくて、なんだろこれっていう、その中で楽しむような。
Hitspaper:チェコの映画って、割とそういうものが多いですよね。見る人によって解釈が異なるというか、あえて答えを出さずに、みんなこれ考えて、っていう映画。そういう印象を受けました。
Yuka:そうですね。チェコでこれを上映したときに、3このスクリーンでやっても、見る人がそれに慣れているので、その読み解き方も、これはそういう意味でしょ、って言ってくる人も、一杯いて。その受け答えに慣れているなと感じました。
SHIMURABROS.が考える未来
Hitspaper:色々、作品について聞かせて戴きましたが、今後の事を教えて戴けますか?どのような活動を行っていきたいでしょうか?
Yuka&Kentaro:映像が物質と同じように実体をもてるようにしてゆきたいです。
また、映画というメディアにもまだまだ興味があります。既存のシアターや上映装置を使っても表現できることはたくさんあると考えています。実は作りたい長編用のシナリオが、2つ完璧に出来上がっているんです。
今年は横浜国際映像祭で新しい作品を発表します。これは、かなり挑戦的で面白い作品になるとおもいます。
タカ・イシイギャラリー 京都にて7月25日(土)まで、映像作品「EICON」シリーズを特別展示致しております。また、7月5日より週末に横浜野毛のNOGEDIA/映像メディアスクール(Hana*Hana内)映像基礎ワークショップに講師として参加するほか、8月の終わりにはART TAIPEI に、来年1月には、台湾のギャラリーにて展覧会を行う予定です。






















































