Kenji Toma / Interview With Kenji Toma

(c) Kenji Toma
H.P : www.kenjitoma.com
Interview by arata sasaki
秋元茂、浅井信一、故小林和弘に師事し、1990年にはN.Y.に渡り、数多の目が醒めるような作品を残しているフォトグラファー藤間謙二さん。
ファッションからスティルライフに変遷した過程に何があったのか、人間の本質を抉りとるような写真群のバックボーンには何があるのか?興味は尽きない。
今回はそんな藤間さんのアイデンティティを掘り下げたインタビューになればと思っています。
Hitspaper:簡単に藤間さんの自己紹介をお願いできますか?
Toma:秋元茂、浅井信一、故小林和弘に師事。その後フリーランスとなる。1990年にNYに拠点を移し、現在に至る。
Hitspaper:何故日本を離れN.Y.に拠点を移されたのでしょうか?その当時の事を教えてもらえますか?
Toma:当時(1980年代後半)東京で写真の仕事をしていた私は、Vogue等のメジャーなものからマイナーなものまでを含め、海外のファッション雑誌から沢山のヒントを得ました。
多大な影響を与えてくれるトップフォトグラファーたちが競う現場で、自分も写真を通してどこまで表現出来るか試してみたい。やがてそう思う様になりました。
そんな時、プライベートで訪れたNY滞在中、たまたまタイミング良くポートフォリオを見てもらう事になった"Interview Magazine" で、その場で8ページのファッションエディトリアルの仕事をオファーされるという、ラッキーなハプニングを経験しました。
何のコネクションも無く、その日初めて会った私に、そんな大きなチャンスを与えてくれたNYに、私はその懐の深さと未知の可能性を感じました。
世界のトップが集まる現場で自分の可能性を試してみたい。
それを実現させる場所として、私はNYを選びました。

(c) Kenji Toma
Hitspaper:ファッションフォトグラファーから新たなスティルライフというジャンルに挑戦した理由は何だったのでしょうか?
Toma:New York での二人目のレップMichael Ashが私にくれた最初の忠告がきっかけになりました。
彼は、ファッション中心に構成された、ある意味バラエティーに富んだ当時の私のポートフォリオの中から、スティルライフの作品に注目し、そこに私の個性を見つけてくれたのです。
「今まで日本で撮って来たジャンルの仕事を全て捨てなさい。」NYの分厚いコマーシャルフォトグラフィーの層に切り込む為の手段として、スティルライフに照準を絞るべきとの忠告でした。
私はその時同時に、New Yorkは、<何が撮れるか>ではなく、<何を撮る人間なのか>が問われる所なのだと知りました。
Hitspaper:長年培ってきたものを通じて、藤間さんが考えるフォトグラファーにとって大切なものは何ですか?
Toma:自分のIdentityをしっかりと持つ事が、一番大切だと思っています。

(c) Kenji Toma
Hitspaper:また、一人間として大切なものは何ですか?
Toma:私がNew Yorkで学んだことの一つに、 Give and Takeの精神があります。
これをバランス良く保つ事が、重要なKeyである様な気がします。
Hitspaper:藤間さんの作品には人間が目を背けたくなる、しかし人間の真理を物語るメッセージのようなものが宿っているように感じます。ご自身の作品で一貫して表現したいテーマはあるのでしょうか?
Toma:日常何気なく見ているもの。
視界に入ってはいるものの、パターン化され繰り返される毎日に埋もれてしまって本質が見えなくなっているもの。
そんなものも見る角度をずらしてみると、本質が露になる事が有る。
見えなくなっている本質を、視点を変えて写し出す。
それが私の表現のテーマです。

(c) Kenji Toma
Hitspaper:表現の方法として写真を選ばれた理由を教えて下さい。
Toma:写真を撮る事自体に興味は無く、ある人の生き方に興味を持った、そしてその人が写真家だった。
それが写真を撮り始めたきっかけです。

(c) Kenji Toma
Hitspaper:近年急速にテクノロジーが発達してきました。藤間さん自身この急速な変化をどの様に捉えていますか?
Toma:新しい道具と、ベーシックな道具。
新旧にこだわらず、その特性を理解し、使いこなせる様になれば、自分の表現に必要な道具は何なのか、自ずとわかってくるはず。
そうすれば昨今のめまぐるしいテクノロジーの変化に戸惑う事も無いと思います。
Hitspaper:世界では、戦争・紛争・貧困・差別など多くの悲しい出来事がこうしている今も起こっています。
クリエーターである私達はこの問題に対して何かできることはないでしょうか?
Toma:私は本来、世の中の問題を解決したり、人の心を変えたりする目的で<表現する事>をしていません。
それはクリエーターという仕事の本質ではないと思っています。
しかし、あえて言うならば、自分の写真が、それを見た人に何らかの気付きを与える、やがてそれが世の中の動きを変える事に繋がって行く。
そんな間接的な影響を与える事もあるかもしれない、と思っています。

(c) Kenji Toma
Hitspaper:日本にいる若きクリエーター(特にフォトグラファー)に何かメッセージを戴けないでしょうか?
Toma:沢山撮って、多いに悩む。きっとその先に進むべき道が見えて来ると思います。





















































