
Official Site: www.miyaando.com
Interview by arata sasaki
photo by goshi uhira
Miya Ando (美夜・安藤)は、日本とロシアの血を引き、幼少の頃毎年の夏休みを住職であった祖父のもと岡山の寺院で過ごし、仏教の教えを身につけると同時に、北カリフォルニアの森、ペブル・ビーチの海、美しい自然の中で育った。
その後、UC Berkeley を経てイェール大学院も進学。哲学と東洋美術を学び、現在ではより深く仏教的哲学を作品に反映し、静かで深遠な空間を提示するアーティストとなっている。
今回のインタビューは、美夜・安藤が3.11に起こった地震、津波の余波に対する詩的な反応として、土、水、空、火というテーマの元、ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アートにて開催された展示会を中心にその理念を探求した。

- 今回の展示作品をスタートしたきっかけは何ですか?
Ando Miya: 3.11によって多くの人間が再考したであろう人間と自然の関係性を表現したいと思ったのがきっかけです。
作品は以前より鉄を加熱して変色させていたのですが、今回は、アルミニウムを使用して穏やさをイメージした、よりアブストラクトなグラデーションで自然を構成する4つのエレメント 火・地・風・水 を表現しています。
- 穏やかで静寂なる作品を制作したいと考えたのは、震災の影響からですか?
Ando Miya: はい。
3.11によって齎された甚大な悲劇に対する追悼の念と、鉄と比較してアルミニウムは新しい素材ですので、未来に向けて進もうというポジティブな意思が含まれています。

- Miyaさんは、日本とロシアの混血であると御聞きしました。
こうした文化的背景が一人の人間に根ざし、時代もまたボーダーレスに向かう中、Miyaさんのようにちょうどボーダーライン上に立脚し架け橋となる人間が必要だと考えます。
そして、今回の作品自体もMiyaさんのアーティストとして活動の中で、一つのボーダーライン上に乗ったのではないだろうかと思います。
Ando Miya: 私のアーティストとしてボキャブラリーは、例えばアルミニウムのような固形物とアブストラクトのような流形物を同時に捉える事です。
私に流れる二つの血や文化、言語、思考、人生は、表や裏のような関係性ではなく、心という形に囚われないものによって繋がれています。
二つの側面には正解がありませんが、各々の歴史を尊敬し、守りながら、現在に生きる私達のアイデンティティを組み合わせていくべきだと思います。
- 例えば、地球上のすべては元を辿ると原点は全て同じルーツだと言われています。勿論、現在もDNAという媒体の構造などミクロ化する事で私達の共通点は限りなく顕在化してきます。
Miyaさんにとって自然界を構成している4つのエレメントとはどのようなものなのでしょうか?
Ando Miya: 私にとって、火・地・風・水という4つのエレメントは、普遍的な概念です。
これらのエレメントは、互いに調和を図っていてパワフルであり、同時に繊細で脆くもあります。

- 作品の枠であるアルミニウムですが、何故、形状をスクエアにしたのですか?
Ando Miya: 自然には幾何的図形などから解るように、システムが存在します。
構成物が連続する事で大きな構成物が同形で成すように、自然界を構成している4つのエレメントもその一部だという事をメタファーとして表現したかったのです。
また、私は無限に広がるスペースを連想させる窓というものが好きで、壁ではなく窓から新しい景色として映るような感覚を作品を感じて欲しい為、スクエアという形状を採用しました。
- 今回の作品ですが、アルミニウムという素材にした事で、鏡のようにも映りますね。
Ando Miya: 鏡に反射する光というのは、私にとって非常に大切な要素です。
今回の作品は、火・地・風・水という4つのエレメントを表現していますが、リフレクトというコンセプトもあります。
光には様々な種類があって、反射するもの、どのような媒介物によって生成されるかによって全く異なる印象を受けます。

- リフレクトとは、鑑賞者の状態、経験や心理的状況によって見方や感じ方異なるというリフレクションでもありますよね?
Ando Miya: それも大切な事ですよね。
光のリフレクション、鑑賞者のリフレクション、それぞれの思考や・心の中に答えがあります。例えばこの黒の作品は、暗闇から光が微かに顕われる明け方をイメージして制作していますが、鑑賞者にとって決してその時間を連想する必要はないと思います。
私の作品は、鑑賞者の心の記憶にそっとタッチするような、もしくは引き出しをそっと開けるような感覚で、鑑賞者とコミニケーションを図りたいと考えています。また、今回、様々な色を使用しましたが、記憶と色は結びつきやすく、記憶を喚起しやすいと考えました。
- Miyaさんは、最初から特定の誰かにメッセージを投げ掛けて作品を制作しますか?それとも、自分のパーソナルな部分が強いでしょうか?
Ando Miya: 制作時には、国境や文化など関係なく常にシンプルに考えます。
私の場合、心と頭と手と繋がっている状態だから、手が勝手に動き出し、その動作と共に思考が働きます。
とてもシンプルな人間なのだと思いますよ。
- Miyaさんは良い意味で子供に還っているような気がしますね。そして、それは正しい事だと思います。
Ando Miya: 実は現在まで6年間グレーなどモノクロ作品しか制作していませんでした。
今振り返ると、それは私の心の深い根っこの部分を知られないように拒絶していたような気がしています。
しかし、現在こうして心の中の色を見せると、何か開放されたような感覚が強いです。
体裁を気にしないこと、無邪気に遊べること、ものを創る時に大切なことだと感じます。
- 小さい頃は、お寺にいらっしゃったと御聞きしました。現在、仏教からどのような影響を受けていますか?
Ando Miya: 仏教を人に押し付けるのは好きではありませんが、大きな影響を受けている事は間違いありません。
今回の展示もそうですが、『有でもなく無でもなく、それゆえに有でも無でもあるところのもの』という概念が好きです。
そして、私達の周りの存在する物質もいずれは崩れゆく儚いものであり、その儚さ故の美しさを表現したいと思っています。
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Miya Ando ‘elements’
会期:2011年10月24日(月)-11月26日(土)
会場:ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-2-9 三晶ビルB1F
Tel 03-3275-1008 Fax 03-3273-9309
http://www.g-sho.com/
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ギャラリー・ショウでの展覧会に加え西武渋谷店B館8階オルタナティブスペースにて ‘Reflect’と題した展覧会を開催中。
Miya Ando ‘Reflect’
会期:2011年11月8日(火) – 11月27日(日)
会場:西武渋谷店B館8階オルタナティブスペース
http://www.artmeetslife.jp/
※お問い合わせ:美術画廊 03-3462-3485
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