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Gestalten / Interview with Sven Ehmann




Interview by takuma hiramatsu

ベルリンという街は、アーティストやデザイナー達を育む上で重要な要素を多く含んだ街です。
世に新しいセンスやカルチャーを発信し、様々な人を魅了し続けてきたその魅力は、街を訪れる度に感じ取れます。今回は、世界中のアートやデザインを集め、書籍として出版し、新しいインスピレーションを与え続けるゲシュタルテンにインタビューを行いました。


- 自己紹介をお願いします / Gestaltenの歴史を教えて下さい。

Sven Ehmann:  私の名前はスヴェン・エーマン (Sven Ehmann)。ゲシュタルテンのクリエイティブ・ディレクターを務めています。私たちはドイツのベルリンを拠点とした国際的なアート&デザイン書籍の出版社です。グラフィックデザイン、イラストレーション、タイポグラフィからプロダクトデザイン、ファインアートからアーバンアート、ファッションから建築までコンテンポラリーなビジュアルカルチャーのあらゆる側面についての書籍を作り、追求し、販売しています。ゲシュタルテンが設立されたのは1995年、当初から国際的観点を持っていました。今日、本を作る傍ら、私たちは多数のデジタル・プロジェクトに携わったり、ベルリンに新しいギャラリースペースをオープンさせたりしました。今後、私たちはコンテンツのために、普通であり、普通ではない方向に進んでいくでしょう。





- 普通であり、普通ではない方向とは具体的にどのようなベクトルを指しているのでしょうか?

Sven Ehmann: 当分の間は、デジタルなことと、ギャラリー/ショップスペースという2つの分野で私たちは忙しくなるでしょう。それでも何か新しい物が登場するたび、私たちは常に探求するのを楽しみにしています。具体的な方向性はありません、ただオープンマインドでいること、好奇心旺盛であること、ハングリーであること。



(c) Good Weather by Sarah Illenberger at Gestalten Space. Photo by Yves Sucksdorff. Image courtesy of Gestalten.


- ゲシュタルテンのクリエイティブフィールドでの役割はなんでしょうか?

Sven Ehmann: 私たちは作品を記録し、刺激を与えていると思います。これまで私たちは、他社がよく取り上げるようなデザインの歴史やセオリーといったことを特に重視してきませんでした。しかし私たちはインターナショナルな読者のために、独特な視点で、デザインをありのままに記録しようとしてきました。そしてすべての分野のクリエイティブな人々が、経験のあらゆる段階で、私たちの書籍が彼らの考えやデザインに刺激を与えたことに感謝していることを様々な会話から確信しています。



- ありのままの記録は、それが恣意的でなければない程、多くの人間が介在する可能性があり、ある種のメッセージにもなりえます。
Youtubewikipediaしかり記録する媒体は、将来どのように歴史を変えていくと思いますか?

Sven Ehmann: 確かにかつてないほどの量の情報が入手可能ですが、その一方で私たちは異常なほどの情報過多と直面しており、注意深く、独断的に選択することが出来る知力のある編集者、もしくはキュレーターが本当に必要とされています。彼らは課題を選択し、定義することを恐れるべからず、オーディエンスに対して彼らのアプローチや基準について意見を交わし合うでしょう。ブロガーは彼らのコメント上で、私たちはメールのやり取りや、実際に人と話すことでそれを行います。wikipediaのようなメディアが、技術のルーツや可能性をより専門家が理解するための論説を立てるのに役立つかもしれない一方で、youtubeのような他のメディアは、むしろキュレーターのセレクションでは満足しない観客や、もっと多くの物や別の物を (時間的に) 必要としている観客のためにバラエティ豊かなものを提供していくでしょう。



- ギャラリースペースを設けようとした理由はなんですか?

Sven Ehmann: 私たちはこれまでに色々な場所で多数のイベントをプロデュースしてきました。書店やギャラリーでのブックリリースパーティーや、デザイン・マイアミを皮切りにコルトレイク (ベルギー) やドバイへとツアーを行った陶器の大型展示会など。ただそれらのイベントはすべて単発だったこともあり、自分たちの書籍だけでなく、ゲシュタルテンの寄稿者たちが制作したプロジェクトやプロダクトも同様に紹介出来るスペースとしてはもちろんのこと、エキシビション、レクチャーやワークショップが継続して行える自身のスペースを持つ時期だと感じたのです。ここまで来るのに少し時間はかかりました。まず最初にテンポラリーなスペースをテスト的に行い、今年になってベルリンのミッテに “Gestalten Space” をオープンしたのです。実際により多くの人に会うクリエイティブなハブが出来たのはとても良いことですね。



(c) Good Weather by Sarah Illenberger at Gestalten Space. Photo by Yves Sucksdorff. Image courtesy of Gestalten.


- スペースを設けてなにか変わりましたか?

Sven Ehmann: 個人的には、見るプロジェクトや会う人々に対しての私の見方が変わったと思います。以前はすべて “これは本になるかもしれない” と考えていましたが、今は適切なフォーマットを見つけたり、洗練されたクリエイティブ・オーディエンスに対して、総合的な経験を作る要素の正しい融合や流れを見つけることをもっと考えています。



- ベルリンという街自体はデザイナーやアーティストにどういう影響を与えていると思いますか?

Sven Ehmann: ベルリンは新鮮でクリエティブな場として知られてきました。要するにとても生活がしやすいのです。もしそうでなかったとしても、ロンドンやニューヨークといった他の大都市に比べると、それでも移住し、住む場所を見つけ、自分のプロジェクトや仕事、時にはパーソナルな実験的プロジェクトをするには簡単な場所なのです。多くのクリエイターたちが活動の初期にここを訪れ、この街はそのエネルギー、アイデアのレベル、ラジカリズムから恩恵を受けています。しかしベルリナー (ベルリン居住者) として、最も重要なことはこのままなのか、継続していくのかということです。その文化を維持するためにビジネスを立ち上げるのか、街が、ベルリンがクリエイティブのテーマパークとして終わるのかということです。



- また、他の都市と何が違うと思いますか?

Sven Ehmann: なんといっても生活費でしょうね。しばらくの間、ベルリンに来て滞在するのはとても簡単なんです。街の中心地には短期利用としてのスペースがまだ残っていますし、まだまだエネルギーを見たり感じるすることができます。



(c) Totem, 2011 by Sarah Illenberger for Rubbersoul/Goodyear. Image courtesy of Gestalten.


- Gestaltenがもつクリエイティブの基準などありますか?

Sven Ehmann: 今まで基準を設けようと思ったことはないと思いますが、私たちがより良い仕事、より良い理解をもたらすことが出来るクリエイターたちや彼らのプロジェクトを、願わくば出版する形や、プレゼンテーション、プロモーションすることで、クリエイティビティやユニークなアイデア、プロフェッショナルな優秀さに私たちは全力を尽くしています。


- 未だ、世界は深刻な問題が数多く存在します。食料問題や戦争、紛争、金融危機など。
これらの問題にアーティストやデザイナーは何かアクションを起すべきでしょうか?
彼らが出来ることは何だと思いますか?

Sven Ehmann: デザインに対する私の理解はスタイルよりも、むしろ考え方です。良いデザイナーは才能のあるクラフトマンであることはもちろん、面白い性格で、偉大な精神を持っています。そのデザイナーの能力というのは、広告や物の表面を可愛くするためだけに無駄に使われない、私としては使われるべきではないと思っています。深刻だと思っている問題に、彼らの能力は非常に良く適応するでしょう。しかしあらゆる問題はどういうわけかお手上げ状態です。教育しかり栄養や革新しかり。それぞれの国でさまざまな段階だとしても、私が非常に興味を持ち、かなり必要だと感じるデザインの思考、デザインのセオリー、デザインの批評についてのあらゆる議論が行われています。とはいえ、私は楽観的です。私たちの問題がより複雑になって以来、私たちのチームは解決策を見つけるのがより複雑になり、デザイナーは役割を見つけ、貴重な貢献をしていると私は確信しています。ひとつシンプルな例を挙げるとすると、デザイナーが提案する深刻な問題の解決策を取り上げた、国連の『design for the other 90%: CITIES』展でしょう。





Gestalten Space Information

My Quiet of Gold by Cooper & Gorfer” An exhibition from The Hasselblad Foundation.



サラ・クーパーとニーナ・ゴーファーによる写真展。大自然のキルギスで撮影された写真と18世紀から19世紀にかけた絵画を組み合わせ、リアリティとイマジネーションの間で生まれたロマンチックでファンタジーに近いコラージュは、夢でみる風景や景観に近い。
現実の演出と、空想の可能性を集め、ストリートとして語る写真たちには圧巻される。

Gestalten Space, Sophie-Gips-Höfe, Sophienstraße 21, 10178 Berlin, Germany
Date: October 27, 2011 – November 27, 2011
http://www.gestalten.com/space


Gestalten (www.gestalten.com)
国内お問い合わせ先:ゲシュタルテン・ジャパン (tel: 0422-30-9326)

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