Interview
+Shane Lester, Creative Director (W+K Tokyo Lab)
+Bruce Ikeda, Producer (W+K Tokyo Lab)
+Fantasista Utamaro, director (main video, hanabeam)
KEIZOmachine!とジューシーによるブレイクビーツユニットHIFANA。
2003年のFRESH PUSH BREAKIN’のリリースから独自の進化を遂げ、その音楽性を高く評価されると同時に近年では、NIKE MUSIC SHOEなどのクライアント・コラボレーションでも注目されている。
そんな彼らが、前回のアルバム「CHANNEL H」リリースより5年経過した2010年夏に最新アルバム「24H」がリリースした。
今 回はある到達点に立ったと言っても過言ではないフルレングスDVDアルバム「24H」についてW+K Tokyo LabよりプロデューサーのBruce Ikeda、クリエイティブ・ディレクターのShane Lester、そしてリードトラック、「祭 / HANABEAM」の映像ディレクションに携わったファンタジスタ歌磨呂 氏に話を伺った。
HIFANAのコンセプト・アルバム24H
フルレングスDVDの一つの到達点
- まずは、HIFANAの最新アルバム24Hについて聞かせて下さい。
前回のアルバム同様、今回も全てのタイトルに映像が付いています。
この作業はかなり大変だったと思うのですが、こうした決断をした理由を教えて下さい。
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Shane Lester: クレイジーだったから 笑 前回も大変でしたが、まぁ、正常であればもう一度やろうなんて思わないですよね。 ちょっと頑張り過ぎたかもしれませんが、毎回不可能だと思われている事にチャレンジしたいと思っています。 HIFANAの作品を振り返ると、毎回必ず前回のものを超えようとしてきた経緯があります。 HIFANAのファンは、強烈な映像を楽しみにしているコアなコミニティだから、今度は何をやってくれるんだろうという期待感を感じています。 |
Bruce Ikeda: 2005年発表された前作「CHANNEL H」というアルバムで、 ほぼ全曲にMV付きというアルバムを制作し、「フルレングスDVD」というジャンルを作ることにつながった。今回は、その延長線上、このジャンル感においては、一つの到達点だと考えています。
- 前回のリリースから約5年という月日が流れました。
多くのファンが待ちに待ったリリースとなりましたが、制作者側としての手応えをどのように感じていますか?
Shane Lester: 前回にも増して膨大な時間・労力をかけただけあって、色々な意味で前作の壁を超える事が出来たかなと思っています。特に、今回は「1Day、24時間」と いうコンセプトのもと、全ての映像作品の前後を繋げることにもチャレンジしていて、作業的には大変でしたが、上手くいったと思います。
- 今回、多くのアーティストがアルバムに参加してプロデュースする側もかなり大変だったと思うのですが、結果、HIFANAの世界観を壊す事なく、上手く構築したのではと思います。
今回、プロデュース側で意識した点、成功の秘訣などを教えて下さい。
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Bruce Ikeda: 5年ぶりとはいえ、過去、ボリューム感のあるアルバムを3枚、一緒にリリースをしてきた実績、そうしたHIFANAとの付き合いの長さによって、コラボ レーションのレベルがかなり高いところまで来ています。阿吽の呼吸で解る事も多いし、細かいディテ―ルまで、お互いに共有しているイメージを具現化出来る ようになっている事が大きいですね。 |
Shane Lester: その中でも特に難しかったのが、今回、W+K以外の外部のディレクターが入って来た場合で、そのディレクターの持ち味を出しながら、HIFANAらしさを 出すといったバランスをコントロールする事でした。ですので、コラボレーションする場合、自然とHIFANAのファンであったり、テイストが近い人を選ぶ 事になりますね。HIFANAは、オンビート・シンクロナイゼーション(映像と音楽がオンビートでシンクロしていること)を大事にしているから、映像ディ レクターにもこうしたキーワードを満たしてくれる人を選んでいます。例えば、アルバム内の「恋愛 / Lan Lan」を一緒に制作したPICS の木津裕史さんは過去作品のPVを見て、そのキーワードが完璧に満たされているディレクターでした。
Bruce Ikeda: そうですね。僕もHIFANAのプロジェクトで他の映像ディレクターとコラボレーションする場合は、口酸っぱく「オンビート・シンクロナイゼーション」の重要性を伝えています。映像そのものがビートを刻むようなそんな感覚ですね。
24Hは1日の時間の流れを感じさせると同時に
人生が凝縮されているライフタイム・ミュージックである
- アルバムを全曲通じて感じたのですが、「出勤」や「勤務」といった日常的な行為からスタートして、徐々に「遭遇」とか「旅行」とか非日常的なタイトルが選ばれていて、テーマ選びが良いなと思いました。
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Bruce Ikeda: もともとはHIFANAから出たアイデアですが、朝起きてから寝るまでという1日の時間の流れを感じさせつつ、「ライフタイム・ミュージック」というサブ コンセプトをこのアルバムには持たせていて、人生で起こりうる色々な出来事を1日という時間の流れの中に散らしています。人生が凝縮されているイメージと 捉えてもらえれば解りやすいかと思います。 |
- 今回のアルバムの締めを飾る「祭 / HANABEAM」について教えて下さい。
Bruce Ikeda: 前回のアルバムに収録されている「WAMONO」の2010年版という位置付けで、日本の文化を現代的にハイブリッド・ミックスするというHIFANAと W+K Tokyo Labのチームが突き詰めて来たものです。サウンド的には、「WAMONO」は三線など、日本の伝統的な楽器の音をベースにしたブレイクビーツですが、今 回は「祭り、花火」というテーマで、花火の爆発音をもとにした独創的なブレイクビーツに仕上がっています。
- 今回、全体的に「WAMONO」よりグレードアップしているように感じました。色んな事が盛り込まれていて、どこに注視して良いか解らないくらいです。
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Shane Lester: はい。今回は、日本の文化的な要素を至る所に散りばめています。そして、全体的に、スケールやボリューム感が、「WAMONO 」よりアップグレードしていますね。例えば、登場キャラクターの数とか花火の数であるとか。 Fantasista Utamaro: 今回は、うどんマスターも登場します 笑 実は花火の材料は、花火大会の会場にいるお客さんで、うどんマスターにこねられて花火になっていくっていう 笑 城の中も宇宙空間になっていたりして、シュールレアリズム的な背景ですね。 細かく見ていくと、みこしが城にドッキングするところがiPodのドックになっていたりしますよ。とにかく、祭りという事でてんこ盛り感を出していきたかった。 この作品はDVDの最後に収録されていて、最後は夢落ちで、キャラクターが寝ているところで終わる。DVDをリピートで見ると1曲目の朝起きる曲に戻るんです。 |
- アルバムの最後に「祭り」を持ってきた意図、この曲のコンセプトは何ですか?
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Fantasista Utamaro: 祭りといえば花火、花火といったら皆でその場を共有できる数少ないイベントだと思うんです。 HIFANAのライブもそうした場の共有を強く感じる場所だと思うから、そうした思いをシンクロさせて、このアルバムを見てくれた人が同じ共有感を持って欲しいと思っています。 先程、言ったお客さんが花火の材料にされているのも個人的には、 皆でこのイベントを盛り上げて、一部になっていくそうした連鎖感のようなものが出せればと思っています。HIFANAは、その一体感を引き起こすトリガーのような存在なのかなと。 Bruce Ikeda: この作品に関しては、本当にいいコラボレーションが出来たと思っています。 ブレストの段階からアイデアが次々湧き出て来ましたし、コンセプトがはっきりしていたから全員が同じ目標に向かって制作出来ましたね。 |
W+K Tokyo Labは、W+Kのクリエイティブラボという位置付け
時代・環境に合わせて実験的な事をやっていく事が使命
- 今回のアルバムは、フルレングスDVDとしてはほぼ完成された領域に達してきたように思います。HIFANAの進化は今後、どのようになっていきますか?
Bruce Ikeda: リリースフォーマット的には、パッケージを出すべきかどうかという事がまずありますね。映像的には、このアルバムで僕らも一つの到達点に達したような気が しているので、例えば、今後は1本のショート・フィルムのような世界観に近づいていくかもしれないですね。今回の繋ぎも、まさにそれを意識して制作してい て、DVDに収録されている12本の映像作品を、プレイオールで通してみると1本につながった43分のショートフィルムという見方もできるようになってい ます。
- 「飲見会」と称したの試写会ライブを行いましたが、ミュージックライブと映画が融合した新しい形態を見ました。
未来のレーベルとしてはこういったパフォーミングへとなって行くのでしょうか?
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Bruce Ikeda: ハイブリッドなライブ体験というのは、いくつかある進化の方向性のの一つとして考えています。 Shane Lester: 現在、ビジネスのバランスが少しずつ変わって来ています。 パッケージが買われなくなって来ているし、このアルバムはクリエイティブ的には非常に良い出来ですが、今後同じことを続けていってもビジネス的には、厳しくなっていくと思う。ですので、今後はもっとデジタルな領域を強くしていきたいと思っています。 |
facebookやtwitterといったソーシャルメディアとの連携や、iPhoneゲームアプリとかデジタル戦略を考えていかなければいけないですね。
Bruce Ikeda: ライブ以外にも、先程話した長編フィルムであったり、デジタル・コンテンツであったり、いくつかの方向性を試していきたいと考えています。
Shane Lester: NIKE MUSIC SHOEのようにクライアントとのコラボレーションのレベルもかなり高いところまできているから、今以上にやっていきたいと考えています。クライアントが付く面白いプロジェクトをプロデュースして、それに例えばHIFANAのブランド力を加えていきたいと考えています。
- 先程、話題に出たライブの可能性はどうでしょうか?
Bruce Ikeda: 今、世の中的にライブ・エンターティメントのニーズが高まっているし、HIFANAは一流のパフォーマーなので、後はそれをどうやって、ビジネス的なバラ ンスをとっていくかというのが大事です。やはりライブは消耗が激しいから、月に何度も出来ない状況だし、模索していますね。可能性としては、ある程度高い 入場料にして、完成度の高いパッケージ化されたショーを見せるという事。この間の「飲見会」は一つのテストケースで、ある種のハイブリッドなライブ体験 だったと思います。
Shane Lester: 僕らが目指しているのは、単純なライブスペースというよりは、そこに存在するだけでアート・スペース内に居るような体験。HIFANAはビジュアルが強いチームだから、空間を彼らのアートで満たしていくような空間プロデュースもしていきたいと思っています。
- W+K Tokyo Labは今年で8年目に突入された訳ですが、今後のビジョンをどのように考えていますか?
Bruce Ikeda: 8年前、ミュージックレーベルを立ち上げようという話が持ち上がって、僕らの強みである映像とクリエイティビティを音楽に昇華して非常に上手くいった。
しかし、ここ5年程で世の中が、がらっと変わってしまった。現在でさえも、先が見出しにくい状況が続いているのが事実としてあります。
個 人的には、レコード・ビジネスは基本デッド、音源を録音、リリースしてその印税で収入を得るというビジネスモデルはもう続けられないと思っています。ネッ トでのダウンロード・ビジネスも、デジタルと音楽が出会ってしまっている以上、基本的には厳しいと思っていて、それだけでなく様々な展開をパラレルに行 なっていくべきだと考えています。
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今の時点で具体的に見えているのは、携帯キセカエ、着メロ、iPhoneアプリ等のデジタルコンテンツやドキュメンターフィルム、そして完成度の高いライ ブ・エンターティメントをプロデュースしていく事です。僕らはミュージック・レーベルという概念ではなく、広義の意味においてレーベルとして存在しなけれ ばならないし、そもそも、W+K Tokyo Labは、W+Kにとってのクリエイティブ・ラボ(実験工房)という位置付けだから、時代・環境に合わせて実験的な事をやっていく事が使命だと思っています。 |
Shane Lester: 8年経過して、知名度も出て、ブランド・パワーが付いて来たからこそ可能なステップがあると思っています。小さい事でも良いので、実験的なプロジェクトを色々なクリエーターとコラボレーションして、クリエイティブ表現を拡散・拡大していきたいですね。
- 最後に、このHIFANAのアルバムを購入した人達、これから購入しようと思っている人達にメッセージをお願いできますか?
Bruce Ikeda: 普通のミュージックビデオに比べ、より音楽的に作られた映像や、音楽と映像がいい感じに融合されている作品がたくさん入っています。DVDをプレイオール で見て欲しいですね。HIFANAとW+K Tokyo Labのコラボレーションにおいては、一つの到達点なので、色々な意味でクオリティが高い作品に仕上がっています。
Shane Lester: 舞台裏では大変な事もあったけど 笑
とにかくファンの人達には何も考えずに感じるまま楽しんで欲しい。
お酒でも飲みながらね!
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