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iida UI × Creator’s mind vol.2 – Interview with WOW 柴田大平

“INFOBAR + YOU”連動企画

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Text by Arina Tsukada
Photo by Sawako Fujii

映像、インタラクティブ作品において、常に先鋭的なビジュアルと体験を生み出すビジュアル・デザインスタジオWOWのデザイナーとして活躍する柴田大平。2009年に発表したオリジナル作品「The Light of Lfe」は国内外で数々の賞を総嘗めににし、各方面から絶賛を浴びた。5年間ほどauの携帯「MEDIA SKIN」を使用していた柴田氏は、学生時代から影響を受けていた深澤直人氏のデザインによる「INFOBAR A01」を発売とほぼ同時に購入。そんな彼に手がけてもらったインターフェースのデザインには、クリエーションの基盤となるコンセプトが隠されていた。


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- 2種類のUIがありますが、アイコンがボックスのように奥行きを持ったUIのコンセプトについて教えてください。

Daihei Shibata: これは、中村勇吾さん率いるthaが開発中のプロダクト「FRAMED*」のために手がけた作品「About200mmDepth」と同様のコンセプトからできています。「FRAMED*」とは、映像やさまざまなデジタルアートをディスプレイとして楽しめるプロダクトで、将来的に誰でもアーティストが参加でき、作品が売れるようなプラットフォームを目指しているのですが、そこで将来的に発表する予定の作品です。
壁に立てかけたときにも周囲の環境ととけこむようなビジュアルを考え、枠の中に実際におよそ20センチの奥行きがあるように見える表現を目指しました。


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 [About200mmDepth]  Video: Daihei Shibata / Sound: evala(port, ATAK)


- もうひとつは、「INFOBAR A01」ボタンのようなアイコンキューブの質感が特徴的ですね。

Daihei Shibata: これは、深澤直人さんが手がけたデザインを最大限に活かしたいと思って作りました。僕は千葉大学デザイン工学科の出身なのですが、周囲に建築やプロダクトデザインを学ぶ友人が多かったこともあり、深澤さんはいわば僕らの「デザインの先生」のような存在でした。「INFOBAR」のシリーズは前からずっと注目していたんですが、「INFOBAR A01」は曲面の使い方とか、ツヤっとした感じが流石で、この佇まいが気に入っているんです。
プロダクトとしての存在感を主張し過ぎている携帯もたまにあるんですが、これは適正な距離をもって生活や周りの環境にすっとなじんでいる。
これは深澤さんのすべてのデザインにおいて感じることですね。UIもその形状を引用して、外側と内側が一体化して見えるようなデザインにしました。インターフェイスがハードとソフトを繋いでいるんです。


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[The Light of Life]  Director: Daihei Shibata / Piano: Naomi Yaguch


- ご自身の代表作ともなった「The Light of Life」は、有機的なビジュアルが多くの人の心を掴む、非常に優れた映像作品ですが、制作の経緯を教えていただけますか?

Daihei Shibata: クラシック音楽が好きでよく聴いているのですが、中でもドビュッシーの「月の光」という曲にインスパイアを受けてできた作品です。制作期間は半年間ほど、仕事の合間を見つけて全てひとりで手がけました。ドビュッシーの曲に合わせて、命が移り変わっていく様子を「生命の光」として表現しています。


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ほとんどCGで構成しているのですが、ところどころに樹々や女性の髪の毛など実写の素材を使用しています。はじめに粒子がはじけるような映像があるのですが、それは水槽に小さなスパンコールを沈ませた瞬間を撮影しました。


- 皮膚、細胞分裂、胞子、そして女性の身体のモチーフなどが描かれ、生命がゆるやかに流れていく様子がとても詩的に演出されていますが、基盤となるコンセプトはあったのでしょうか?

Daihei Shibata: 当時読んでいた、生命論やオートポイエーシス(*…自己創出、自己生産。生命が自己を形成するシステムについて問われた概念)の本に影響を受けています。西垣通著の『続 基礎情報学―「生命的組織」のために』などはよく読んでいましたね。
「自己組織化」などの様々なキーワードを引用し、組み合わせることによって、それからイメージを膨らませていきました。変化し続けることによって今を形成すること、命の光がまた別の新しい命を灯して世代を紡ぎ、大きな流れの一部となること、そうしたイメージを映像として表現しています。



- 学術的な概念がビジュアル表現に結びついているんですね。

Daihei Shibata: 大学院に進んで研究をしていたこともあって、色々な知識を繋いで新しい表現に落とし込むということ自体が好きですね。メディアを介した情報をいかにリアルな体験に置き換えられるかどうかは、当時からずっと抱いているテーマです。何らかの媒体を通して、日常生活や皮膚感覚、五感に近い体験を与えること、そうした考えはものをつくる上でアイデアの助けになっています。


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- そのものづくりの基盤となっている思考には、今回のUIで表現したような「質感」や「重み」にも通じるものがありますね。

Daihei Shibata: 今回のUIは、各々の記憶や経験に依存しない表現を目指しました。文脈などを極力取り外して、熱い、気持ちいい、おいしい、といった身体が持っているシンプルな感覚に訴えたかったんです。それはライブに行って音を聴くときの、聴覚から入ってくる体感に近いかもしれません。視覚情報は一度脳を経由して個々人の記憶に接続しますが、ビジュアルからの体験でも脊髄反射的な情報伝達が起きるような、すぐさまダイレクトに身体に伝わるような表現がいつか実現できればと思っています。現在では、まだインターフェイスは発光型のディスプレイに依存していますが、将来的に電子ペーパーなど反射型ディスプレイがもっと進化すれば、新しい映像体験ができると思います。携帯のカタチも、今はモノの中に情報が埋め込まれているように見えるけれど、より自然で扱いやすいものになる気がしています。



- 今後、手がけてみたい作品などはありますか?

Daihei Shibata: 今はショートムービーなどのリニアな映像ではなく、時間軸に依存しない作品を作りたいですね。インタラクティブなものやスクリーンセーバーなど、さまざまな場所、メディアで汎用的に展開できるものをパッケージ化できればなぁとかぼんやり考えています。プロダクトデザインも映像も考えていることは一緒で、周囲の環境や、人、映し出すメディアによって自ずと表現も決まってくるんだと思います。


- 身体感覚に訴えるビジュアルを生み出す柴田さんのUIからは、「INFOVAR A01」を手がけた深澤直人氏のアフォーダンスのデザインにも繋がる哲学が垣間見えました。一枚のホーム画面から見えてくるクリエイターの思考の片鱗。多彩なユーザーがカスタマイズしたホーム画面をシェアできる「INFOBAR+YOU」にも、そんなアイデアがこぼれているかもしれません。柴田さん、ありがとうございました。




Works

[The Light of Life] はこちらからご覧いただけます
http://www.daiheishibata.jp/lightoflife


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[ON-DESK-TOP]  
Animation: WOW Inc. / Music: cubesato / About CINEMA 4D :http://www.maxon.net
http://www.youtube.com/watch?v=l1HdpVWcWPM

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[DECOBOCO]  Director: WOW inc. /  Music: Takamune Nagato
http://www.w0w.co.jp/#/ja/original-work/installations/21_de





Daihei Shibata

1982年生まれ。千葉大学デザイン工学科、同大学院にて視覚伝達デザインを学ぶ。
卒業後、2007年よりWOW勤務デザイナー。WOWでは展示映像、インスタレーションの企画・制作・ディレクションや、CMなどのCG制作などの業務に携わる。
http://www.w0w.co.jp/
http://www.daiheishibata.jp/


About iida UI

インターフェイスのデザインとディレクションを担当したのは、卓越した表現力でWEB・モー ショングラフィックスの世界に革新をもたらしてきたWEBデザイナー、中村勇吾氏。縦スクロールでアイコンが整然と並ぶインターフェイスは、滑らかな操作 性とディテールにこだわった緻密なデザインで独自の質感を生んでいる。洗練されたデザインを楽しめる一方、アイコンのサイズや形を簡単に変えられるカスタ マイズ機能で、世界に一つのホーム画面を生み出せるのも魅力のひとつ。
http://iida.jp/products/infobar/interface/


About “INFOBAR + YOU”

「INFOBAR」のホーム画面が共有できるWebサービス。
ユーザーがカスタマイズしたさまざまなホーム画面を見られるほか、Facebookの機能を利用して気に入ったホーム画面に投票できる。
http://infobar.iida.jp/

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