
ビデオ・アートの開拓者であり、現在のメディア・アートに多大な影響を与えた韓国出身のナムジュン・パイク(白南準)。2006年、73歳で他界した彼の業 績を讃えて設立されたのが、韓国京畿道龍仁市にあるナムジュン・パイク・アートセンター(Nam June Paik Art Center)だ。
ナムジュン・パイクは、1932年ソウルに生まれ、18歳の時に朝鮮戦争から逃れ、香港、そして東京に移住した。滞在中、東京大学で美術を学んだ彼は、その 後、ドイツ、ニューヨークへと渡り、ヨーゼフ・ボイス、オノ・ヨーコらも参加した芸術家集団「フルクサス」の一員となる。1963年にドイツのヴッパー タールで開催した初の個展「音楽の展覧会 ー エレクトロニック・テレビジョン(Exposition of Music – Electronic Television)」で、13台のテレビを用いたインスタレーションを発表し、これが現在でも世界初のビデオ・アート作品として知られている。
パ イクの死後2年経った2008年秋に開館したこのアートセンターは、地上3階、地下2階からなり、総面積5,600平方メートルという広さを誇る。設計は 430点もの応募作品から選ばれたドイツ人建築家、Kirsten SchemelとベルリンのKSMS Schemel Stankovic ArchitectsのMarina Stanlovicによるもので、建物内には、展示ホール、多目的室などのほか、パイクによるドキュメンタリーや素材を含めた2,000以上ものビデオ アーカイブ、40点以上のドローイング、70点近くのペインティングなど、数多くの貴重な作品が揃う。
ナムジュン・パイク・アートセンター。
アートセンターのアイデンティティは、疑問が裏返されて新たな疑問になったとき、永遠に終わりのない変容と循環が繰り返されることを意味し、この場所が在りし日のパイクの作品と同じように常に実験的な場であり続けることを表している。
アートセンターのアイデンティティ。
2 月19日(日)までは、「TV Commune展」を開催中。私たちは、無意識のうちに、テレビによって作られたある種の共同体のなかに暮らしている。パイクは、初期の頃から、テレビを 通したグローバルなコミュニケーションの可能性を信じて、テレビ番組があらゆる国で放映されることで互いの文化を理解し合う日がくることを夢見ていた。こ の展示では、テレビがいかに私たちの暮らしに影響を与え、このデジタル時代においてどのように新しい関係を築いていけるのかを、様々なアーティスト達の作 品と共に探ってゆく。
「TV Commune展」は当初の会期を延長し、2月19日までの開催。
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Nam June Paik Art Center
住所:京畿道龍仁市器興区上葛洞85
85 Sanggal-dong, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do
電話:+82-31-201-8527
開館時間:10:00~20:00(入場は閉館1時間前まで。夏期は22時まで開館)
入場料:無料
休館日:毎月第2・第4月曜日
行き方:ソウル市内地下鉄2号線 江南(Gangnam)駅 3番出口近くの郊外行きのバス発着所から5001、5003に乗車。新葛オゴリ、または新葛交番で下車。(所要時間 約30分)
http://www.njpartcenter.kr/en/
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