
シンガポール・ビエンナーレ2011に参加する、トルコ出身のアーティスト/映像作家、ギュルスン・カラムスタファ氏による作品。Gülsün Karamustafa, The City and the Secret Panther Fashion (still), 2007, single-channel video, 13:06 minutes, colour, sound, photo: Serra Gültürk, courtesy of Rodeo Gallery, Istanbul and © the artist
今回で3回目を迎えるシンガポール・ビエンナーレが来月13日(日)より開催される。アーティスティック・ディレクターは、インスタレーション、ビデオ、パフォーマンスなどの分野で活躍し、国際的な展示での作品発表も行っているマシュー・ヌイ氏。キュレーターは、豪ブリスベンにあるクィーンズランド・アート・ギャラリーのアジアパシフィックアート部門の責任者であるラッセル・ストーラー氏と、200年以上の歴史を誇る米マサチューセッツ州セーラムのピーボディ・エセックス博物館のキュレーターであるトレヴァー・スミス氏の二名。
30カ国から63組、150以上もの作品が集結する今回のビエンナーレのタイトルは、「Open House」。宗教的なお祭りなどの際に、自宅に他人を招き入れ、互いの文化を尊重し合うという多民族国家のシンガポールならではの習慣をアートに置き換え、作家たちと来場者の結びつきを作ることが狙いだ。
「一人のアーティストとして、今回のビエンナーレの焦点を芸術的なプロセスに合わせ、それをシンガポールの人々と外国からのお客様に伝えたいという強い願望があります。もちろん、現代アートはとても多様ですから、それは容易なことではありませんが、私達のチームは賢明にその努力をしています。作品は、家の中のプライベートな空間から、街の中のビジネス的な空間、そして港に至るまで、あらゆる方法で展示され、それらは国際的な交流のバネとなります。こうすることによって、私達の展示会場は、作品に対してよりダイレクトでしっかりとした繋がりを持つでしょう。」(アーティスティック・ディレクター、マシュー・ヌイ氏)
今回のビエンナーレで最も注目されるのは、シンガポールの観光地として有名なマーライオンを使った臨時ホテル「ザ・マーライオン・ホテル」。これは、日本人作家の西野達氏による作品で、マーライオン・パーク内にある実物のマーライオンを囲うようにホテルを建設し、その頭部が宿泊可能な部屋の中央に収められるというもの。ビエンナーレ開催中は朝10時から夜7時まで一般公開され、夜8時からは宿泊者がチェックインし、実際にマーライオンの頭部と貴重な一夜を過ごすことができる。

日本人作家の西野達氏による「ザ・マーライオン・ホテル」。図面と外観の完成予定イメージ。Tatzu Nishi, The Merlion Hotel, (artist’s rendering), 2011, construction-installation, © the artist
その他、ユニークなサウンド作品が特徴のシンガポール出身のソンミン・アン、ポップ・アイコンをモチーフにした作品で知られる南アフリカ出身のキャンディス・ブレイツ、アジアを中心に活動するベトナム出身のティファニー・チュン、2001年のターナー賞を受賞したイギリスのマーティン・クリード、公共物の重要性に新たな視点を提示するドイツ出身のレオポルド・ケッスラーなど、国際色豊かな作家達が一堂に会し、ビエンナーレを盛り上げる予定だ。
街を行き交う人々の写真で知られる、スイス出身のベアト・ストロイリの作品。Beat Streuli, Images from Wolfsburg series, 2007, courtesy of Eva Pressenhuber Gallery, and © the artist
ヴェネツィア・ビエンナーレでの受賞歴もあるエレムグリーン&ドラッグセットによる作品。Elmgreen and Dragset, Prada Marfa, 2005, permanent installation in Marfa, Texas, 760 x 470 x 480 cm, photo: James Evans, courtesy of Art Production Fund, York; Ballroom Marfa, and Marfa, and © the artist
政府の支援により、アート業界全体が活気づいているシンガポール。アジアの富裕層が集まり「アジアのスイス」としても知られるこの国で、常夏の空気と共に、現代アートの今を感じてみてはいかがだろう。
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Singapore Biennale 2011「Open House」
会期:2011年3月13日(日)〜15日(火)
※3月11日(金)はプレス・関係者のみ、12日(土)はオープニング・レセプション
会場:シンガポール美術館、8Q、シンガポール国立博物館、旧カラン空港、マリーナ・ベイ
アーティスティック・ディレクター:Matthew Ngui
キュレーター:Trevor Smith、Russell Storer
参加作家:Ang Song Ming、Candice Breitz、Tiffany Chung、Martin Creed、金氏徹平、Leopold Kessler、Michael Lin、Rafael Lozano-Hemmer、Jill Magid、西野達、Sopheap Pich、Navin Rawanchaikul ほか
URL:www.singaporebiennale.org/
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