
嘗て藝術の評価は、存命中ではなく没後にあるきっかけで注目され評価される人間も多かった。
ピカソ然り、作詞家、作曲家、歌手を横断したコレット・マニーもこのような類に含まれるのかもしれない。
しかし、時代は移り変わり、万斛のスポットライトが巨大な産業に降り注ぐこととなった。
インターネットによる発信は元より、才能がある若手を育成する機関やイベントも数百年前に比べたら数、質、共に天と地の差がある。
勿論、こうした環境によって競争過多になったのは事実だが可能性が拡張したのは否定出来ない。
こうした可能性の拡張と爆発的な情報社会のアイデンティティ喪失の狭間の中、『Birdy(バーディ)』ことJasmine van den Bogaerdeは若くして注目を集める存在となった。
若干12歳にして英国で最大の音楽コンクール、まさにイギリス音楽の登竜門とも言える Open Mic UK in 2008 で優勝した事を皮切りに、その後、着実にスキルを上げ、2010年当時15歳にして Bon Iver の『Skinny Love』カバー。英国で大きく脚光を浴びることとなる。
その勢いは留まることなく2011年の暮れ11月には、デビューアルバム『Birdy』がリリースされ名実共に評価されるアーティストとなっている。
Birdy の素晴らしさは、16歳ならではの瑞々しさと触れると壊れてしまいそうな繊細な声と、16歳とは到底思えない深淵で伸びやかな声が共存している事だ。このコントラストが16歳という少女の中に内包されており、両極の美が崩れることなく天秤のバランスを整えている。
英国ではこの声をクリスタルボイスと称しているが、先に挙げたBon Iverの『Skinny Love』や、THE XXの「Shelter」のカバーでもその名に相応しいパフォーマンスを披露している。
Birdy は4歳の頃からピアノを習い、クラシック音楽を勉強して来たと言う。
そして、思春期に Bon Iver や THE XX など現在をときめくミュージシャンに出会い、彼女の中で新しい受胎を授かった。
彼らの系譜を引き継ぎつつ、しかし独自の進化を開発するような、まさに新たな配合を感じさせるニューエイジの台頭である。
若くして才能を見出される事は実に素晴らしい事であるが、彼女に影響を与えた(これから与える)藝術家、その藝術家に影響を与えた藝術家… こうした伝承される系譜にも是非注目して戴きたいと憶う。
そこには、『忘却』と形容される数多の藝術家が存在し、現代へと脈々とその意思を遺しているのだ。
Official: officialbirdy.com









































